2015年06月23日

我が心の底の光 貫井徳郎著。

《★★★》

母親からの育児放棄により、餓死寸前だった晄。父親はその母親を殺して殺人犯となり、世の中の不公平と折り合いをつけながら生きている。
なんの希望も見出さない、どうでもいい、そんな晄の人生ってなんだったんだろう。
最近は読むモノ観るモノ「復讐」続きで、結局この本もそうだった。

晄の人生は復讐そのものだった。

過酷な運命の元に生まれた晄は、やっぱり普通の人間が感じるような感情では図れなかったね。

引き取られた親戚の家には晄と同い年の従兄弟がいて、こいつが嫌な奴なんだけど、特に晄をいじめたりするわけじゃないけど、無神経さに腹が立って。
詐欺師として天才なのか、その原動力は復讐心なんだけど、自分たちを死の淵に追いやった原因となった人々に復讐していく。

母親がホスト通いにはまり、晄を何日も置き去りにするところは、苦しかった。
いくつものそんな事件が思い出されて、幼い子たちの命を脅かす、親の無責任さに気分が悪くなる。
だから晄の母親が分かれた夫にボッコボコにされるのなんて、ざまあみろってもんで、死んですっきり。

晄は、母親がホストに夢中になって帰ってこなくなった、そのホストにも復讐。
そもそも母親がホストに愛を求めるのは、家に帰ってこなくなった父親が原因で、それは父に愛人ができたから。その愛人にも復讐。
だけど、晄の感情はどこかねじ曲がっていて、晄の復讐に巻き込まれ従兄弟の慎司と幼馴染の怜菜が拉致された時、助けるのは怜菜でしょう?いやいや、まず拉致現場に助けに行ったんだから二人救出すればいいのに、なんで慎司だけしか救出しないのか!!

その理由は、虐待され感情が欠落してしまったとしか思えない晄らしいもので、共感はできないけど納得。
母親が帰ってこない、たった一人の部屋で、慎司が譲ってくれた仔猫がどれだけ晄の希望となったのか。
トラスケの存在だけが晄にとっての希望で、そのトラスケのために復讐をしたのだ。

怜菜なんて目に入ってない、いや、本当は晄だって怜菜の気持ち知っていたし、好きだったのかもしれない。だけどそれよりも優先する感情が晄にはあったんだよね。
トラスケの復讐と、そのトラスケを譲ってくれた慎司への感謝だか義理。ここはもう絶対に譲れない。

やっぱりラストは貫井氏らしく、暗くどんよりしたものだったけど、それでもなんだろう?晄の目的が分かっただけで、共感はできないのに納得がいったことで、彼の選んだ最期に希望を感じた。
これでよかったんだ、と。
彼にはこの先の明るい人生なんて考えられなかったのだから。

一切出てこなかった父親のその後も知りたかった。妻殺し・・・出所してもおかしくないよね。あれだけ元愛人やホストのその後調べたんだから、父親の消息も調べればよかったのに。




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2014年05月06日

北天の馬たち 貫井徳郎著。

《★★》

毅志は、横浜の馬車道近くで、母親と共に喫茶店「ペガサス」を営んでいる。ある日、空室だった「ペガサス」の2階に、皆藤と山南というふたりの男が探偵事務所を開いた。スマートで快活な彼らに憧れを抱いた毅志は、探偵仕事を手伝わせてもらうことに。しかし、付き合いを重ねるうちに、毅志は皆藤と山南に対してある疑問を抱きはじめる…。  (「BOOK」データベースより)

そうそう、読んでる時に違和感ありありだったんだよね〜。
エピソード2の、ずっと独身の姪に出会いを、って依頼で、どうやら結婚詐欺師みたいなのに、皆藤や山南はまるで動かず、毅志に至っては自分で調べ始めて・・・そんなの依頼主の叔母に聞けばいいのに、って。
まあ、結局、すべてがある作戦だから依頼主の叔母なんてのもいないわけなんだけどさ。

ところどころ、それってもっと突っ込めそうなのに、って思うんだけど、全体的にすごく中途半端な感じがした。とても渋くて恰好いい皆藤と山南なんだけど、一番見せ場の悪党との対決シーンとかないし、毅志に至っては喫茶店のマスターなのに、よくもまあ探偵まがいのことを・・・って探偵助手志望だけど。

元はといえば、企業の社長の座をめぐっての骨肉の争いが発端なのに、そこは脇においといて、遺産を亡き親友の娘に残すための、邪魔な奴らを罠にはめて陥れる物語で、なんだろう?主役に置くべきポイントがいまいち?

いいんだよ、もちろん。長男に妬んだ次男が、腹違いの弟とそのまた種違いの兄弟と手を組んで、次男は社長の座を、腹違いの弟とその兄弟たちはお金を狙うって話は。
で、山南たちは、死んだ跡取り息子の長男の仇を取るために、そして残された一人娘を守るために次々に罠にかけるってのも。
でもそのわりに、どっちも中途半端な盛り上がりで、肝心のゴロツキをどうしたのかってところは抜けてるし、道端に大量の血痕が、ってだけじゃ、ゴロツキが死んだのか、刺し違えるつもりの山南が死んだのか分からないし。

貫井氏にしてはいまいちの出来だった。

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2014年03月13日

ドミノ倒し 貫井徳郎著。

《★★》

ひとつの事件が別の事件を呼び起こし芋づる式に掘り出される死体!死体!!死体!!!いったい何が起きているんだ!?油断大敵・貫井流ユーモア私立探偵小説。(「BOOK」データベースより)

探偵さんの心の声は非常に面白かったけど、ストーリー的には眠気を催し、何度も寝てしまった。
探偵の昔の恋人にそっくりな妹との出会いも、この妹が好きになれなくて、出てくるたびにイライラした。
こんな妹じゃ、お姉さんとの思い出も崩壊しちゃうよ。

でも、途中で、殺された美人詐欺師やネズミ講の男、ロリコン男に×って書いてあった意味分かったけどね。きっと天誅なんだろうと。
それにしても犯人たちが、なんとも言えずお粗末な展開。
結局なんだったのか、あの美人詐欺師の生き別れた双子のお姉さんは、どうしちゃったんだろう?
真相に辿りつけたのか、署長さんも逃げ切れたかな。

どうせなら、殺人事件を探るうち・・・って展開をやめて、最初から腐ったあの町をさらけ出して、そこからの探偵さんや署長さんの逃亡劇にした方が面白かったかも。

ま、とりあえず時間返して。

posted by じゃじゃまま at 19:30| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 貫井徳郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月19日

微笑む人 貫井徳郎著。

《★★★★☆》


川で水難事故が起きた。川で女性と子供が溺れ、それを救助した男性。最初は、それだけだった。
ところが、この事故が世間を揺るがす大事件になる。

亡くなったのは母と幼い娘。救助したのは、夫であり、父である仁藤俊実。
そのまま水難事故として処理されようとしたその時、一本の目撃証言の電話があり、そして、葬儀場の都合で葬儀が遅れ、それが完全犯罪を防いだ。
仁藤による妻と子供の殺害は、誰にも理解のできない動機で、ある小説家が仁藤の素顔に迫るためルポの記録形式の小説である。

まるで私が衝撃を受けた「愚行録」の再来か!と読み始めてすぐに興奮を覚えた。
インタビューで語られる仁藤の人物像は、まさか本の置き場所に困ったから妻と子を殺した男とは思えない、善人で人格者で、誰しもが仁藤の犯罪を認めない。
警察の冤罪だ、冤罪でなければなにかよっぽどの理由があったのか。でもまさか、考えられない、みな口を揃えて証言する。

そして、物語の語り手である作家は、やがてポツリポツリと仁藤の仮面を感じた人々からの証言を得る。

仁藤の裏の顔。確かに妻と子を手にかけたのだから、みなが言うように「いい人」であるはずがない。
そう読者も思ってるから、いよいよ裏の顔の証言が出てくると、興奮して手が止まらない。
そうでしょ、そうでしょ、そうでしょうとも〜〜って。
私も「いい人」ぶった善人の裏の顔をわりと早く察知する方なので、なんか分かる気がして、絶対いるよね〜って。

ただこの仁藤は、すごい。
貫井氏の小説では、結局のところの仁藤の本性は明かされてない。ポツポツと裏の顔を証言するエピソードを盛り込み、さあ、結局はどっちを信じる?証拠はないんだよ、と委ねながら、でも仁藤=悪人の方に誘導されてる。

でも私は仁藤=悪人説で間違いない。

人の本性というか、裏の顔を書かせたダークな物語は、さすが貫井氏って思う。
ただ、最後の最後に出てきた、昔の同級生のエピソードで失速したかな。
そこを読んでいるときに、仁藤の人物像を暴いていた今までの興奮がすっかり冷めて、元同級生の話が嘘か真か、あの人物の目的は?って、すっかり本来の目的を忘れていて、肩すかしな気分。

そういえば「愚行録」も最後の最後で失速したんだよね、興奮度が。

あの元警官の話で仁藤の本性は十分だよね。絶対悪人。
会社の後輩につぶやいた「死ねよ」も十分頷けるし、そうだそうだ、あの先輩も絶対に仁藤だ!
ああ、なんで失速感を感じたのか。絶対仁藤は悪人なのに、証拠がなくて裁けないこのもどかしさが、ちぇって思うのかも。

一人の人間の善し悪しも、自分がどっちの面を見ているかで変わるものだけど、それ以上にこの小説の仁藤、物語は興味深かった。


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2013年03月02日

新月譚 貫井徳郎著。

《★★★》


一人の編集者が、絶筆したかつての女流作家へ、もう一度書いて欲しいと願い、訪問する。
そして、賞を総なめにした作家が、なぜ49歳という年齢で絶筆してしまったのか、あまりにも美しすぎる容姿におののきながらも、理由と過去を知ることになる。

咲良怜花、その見る者を絶句させてしまうほどの美貌を持った女性作家。
彼女がやがて語り出す自身の過去には、その美貌の隠された秘密、決意、一人の男への狂おしいまでの執着、それが咲良怜花を作り出した理由であり、作風の変化が明かされる。

正直、貫井氏といえばなにか後味の悪い事件を想像してしまう私だけど、誰も死なず、いや殺されず、ああ、今回はそういう話じゃないんだ、とちょっとがっかり。
・・・したのは確かなんだけど、一人の女性の恋愛話であるんだけど、結構分厚いのに、なぜか先が気になって案外夢中になって読んでしまった。

不思議なんだよね。咲良怜花=後藤和子が一途に求め続ける男との恋愛はどこか古臭くて、こんな恋愛が延々と語られるだけなのか〜と辟易したのも事実なんだけど、それでも気になる、読み続けてしまう。
ただの女にだらしないだけの男なはずで、ずっと和子の視点から語られるだけなのに、なんか目が離せないんだよね。

一番盛り上がったのは、和子の高校時代の友人、季子との三角関係だったけど、読みきってしまった自分が不思議。
正直、作風の変化が言い訳がましく??語られたけど、そこはちょっと分からなかった。
一人の男に、認めて欲しいというだけで、そんなに変わるものなのかな。私は作品を生み出すってことが分からないからなんとも言えないけど。

別人が書いたって思ってしまうほど、変わるものなのかな〜って。
今までそんな風に感じた作家さんっていたかな。

一番、気になったのは、和子が木之内に貸した一億円って返ってきたのかな。

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2011年05月29日

灰色の虹 貫井徳郎著。

≪★★★★☆≫

冤罪によって人生を滅茶苦茶に狂わされた男には、復讐は権利か。当たり前の行為で神さえも背中を押してくれるのか。
江木雅史は、たまたまその日上司と口論になったせいで、たまたま上司が何者かに殺されたせいで、疑われ、そのまま有罪になってしまった。
どんなに叫んでも、訴えても、誰も信じてはくれなかった。
一体、誰が悪いのか。

恋人も、家族も、職も、なにもかもを奪われた時、心はとっくに折れ、死に絶え、残るのはすべてを奪った者たちへの復讐のみだった。

<刑事> 強引な取調べで江木を自白に追い込んだ男、伊佐山。伊佐山にとっての真実とは、もはや事実とは関係なく、自分の信じた勘がそのまま逮捕に至ること。
7年前の江木の事件のこともその中の一つであって、この男は、その日の夜もまた事実関係やアリバイなど関係なく、強引な取調べで、真犯人を逃がし、冤罪を生んだ日、江木の手によって幕を閉じた。

<検事> 谷沢は逮捕され、自白までした江木の調書を信じ、自分の正義感そのままに裁判で戦っただけである。
だが、無実を叫び続けた江木にとって、彼もまた復讐の相手の一人であった。

<弁護士> 国選弁護人はお金にならない。どうでもいい裁判には、時間も手間もかけていられない。だからおざなりな弁護になる。江木の裁判は、金にならないし、鼻から彼の無実など信じてなどいなかった。
綾部は、ヤクザの裁判に関わり、ヤクザに接待され、このままもしかすると自ら身を滅ぼすかも、と思っていた矢先、やはり江木に襲われる。

<裁判官> 江木の裁判に関わった裁判官三人のうち二人までが命を落としていた。ようやく警察も江木の犯行を確信し追うが、捕まらない。
警察は、江木の母親、元恋人を訪ねるが行方は掴めない。江木の犯行にいち早く気付いた山名は、かつて自身も恋人を暴漢に殺された過去を持ち、いつの間にか江木に同調している自分に気付く。
江木の犯行、冤罪を認めることができない警察内部と、江木の冤罪を信じ始める山名。
山名の奔走も虚しく、妻の不貞に気付き、余裕のなくなった裁判官、石嶺も殺される。
しかしどこにも江木の姿は認められない。

<目撃者> この愚かな男によって江木は人生を奪われた。本当はろくに見てもいないのに、途中で江木ではないと思いながらも、証言を翻せなかった男雨宮。
ブログに、自分の体験を興味本位で綴り、高揚感いっぱいになっていた雨宮を恐怖のどん底に落とした江木の影。
雨宮さえはっきりと証言していたら、と思うと。
私は江木の犯行を責める気持ちにはなれなかった。

一人のいい加減な証言によって、一人の思い込みの激しい強引な刑事によって、一人の目立たないけど小さな幸せを掴もうとしていた男の人生は壊れた。
その恋人も、結婚間近だった姉も、失意の底で命を絶った父も、すべてを奪われた母も、その被害者だ。
日ごろからの横暴な言動が引き金だったかもしれない会社の上司も、被害者ではあるが、真犯人を捕まえてもらえず、彼らも不幸だ。

綾部ももっと真剣に弁護していたら、検事や裁判官も巻き添えにならなかったかもしれない。

一つの不幸な事件に関わった、五人の人間の人生の裏と表。

江木の姿が現場で確認されなかった時点で、分かってはいた。

母親の最後の叫びが、この物語のすべてだと思った。

他者が他者の人生の関わってしまう物語、「乱反射」もすごかったけど、「灰色の虹」も書き切ったね〜。

posted by じゃじゃまま at 22:14| 神奈川 ☔| Comment(5) | TrackBack(4) | 貫井徳郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月09日

明日の空 貫井徳郎著。

≪★★★≫

帰国子女の栄美、クラスの人気者の飛鳥部君、いじめに遭っている小金井君。
生きた英語が学びたくて外国人観光客の案内人をしているユージ。そしてユージに声を掛けてきた黒人アンディ。

彼らの人生の、ある一点が交差している青春小説。
貫井氏なのでドロドロと、なにか事件が起こるのかな、なんて思っていたけど、PART1は、栄美と飛鳥部君の淡い恋心に、ちょっとした黒い点がついた程度。
そしてPART2では、ユージが登場し、アンディと一緒に観光客案内をするが、アンディのちょっと不思議な行動やその存在の意味はまだ分からない。
PART3で、大学生になった栄美が、今まで自分の知らないところで、なにが起ころうとしていて、誰が守ってくれていたのかが分かる。

大きな事件なんてないし、これは青春小説だと思ったけど、不満の残る「けど」ではなくて、ちょっとした黒い点もあるけど、読後感に爽やかなものが残った。
アンディにはやられたね。

posted by じゃじゃまま at 16:15| 神奈川 ☀| Comment(2) | TrackBack(1) | 貫井徳郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月30日

後悔と真実の色 貫井徳郎著。

≪★★≫
女性が狙われる殺人事件が発生。犠牲者は、刃物で切り裂かれた上、指が切落とされていた。そして同じように指が切落とされた殺人事件が・・・。
これは連続殺人事件なのか、同一犯なのか。
警視庁捜査一課の名探偵、西條。その西條を目の敵にしている機捜の綿引が、共に同じ捜査本部に。

第一発見者である交番勤務の制服警官大崎も、捜査本部で西條と組まされる。
第二、第三・・・と犠牲者が出る一方で、ネットには犯人しか知り得ない情報、そして携帯サイトに犯行声明。犯人に近づけないまま、ほんの小さな手がかりにこだわり、それが西條を追いつめることとなる。

まったく犯人にたどり着けない、仲間だと思っていた者たちの本性や裏切り。
すべてを失う転落人生。

貫井氏だから、どんよりと後味の悪さを引っ張るラストなんだろうな〜とは思ってたせいか、想定内で終わった。

犯人も、ここまで来るとこの中にいるよね〜と予想はしてたけど、どうしても越えられない点があって、なるほど、そういうことでクリアだったのね〜と、ちょっと予想を覆された。

ただ、一番最後の犯行は、なんか安易だった気がする。
というか、犯人の動機から考えても、順番的にもう少し早くてもよかった気がするんだよね。だからラストに向けて、ちゃちゃっと仕上げにかかったのかな〜って安易な感じがしたんだよね。

それにしても古典的?なタイトルだね。しみじみ感じ入ってしまった。

posted by じゃじゃまま at 14:40| 🌁| Comment(3) | TrackBack(2) | 貫井徳郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月06日

天使の屍 貫井徳郎著。

≪★★≫
血は繋がならなくとも、大事な家族、息子だった優馬が死んだ。屋上から飛び降りた。
自殺が信じられず、死の真相を調べ始めていると、信じられない文書が届き、息子の友人が次々に自殺し、青木は息子が隠そうとしていたある真実に近づき始める。

生徒たちが次々に自殺して、担任が責任を感じるのは分かるんだけど、だからって青木の父に、いちいち誰それが飛び降りました!って連絡するのはどうよ?って。
あと、青木に優馬が仲良くしていた友人を聞かれて、答えちゃうのも、ありえないかな?とも。学校側ってそういうこと言いたがらない気もするけどね〜。

それはさておき、息子達が隠したかった真実と、息子達が計画していたこと。大人には理解できない子どもの論理。すごくミステリなのに、青木の奮闘や困惑が目立ってしまって、ミステリが小ぶりに感じてしまったのが残念。


posted by じゃじゃまま at 21:47| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 貫井徳郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月29日

乱反射 貫井徳郎著。

≪★★★≫
それぞれが無関係に見える、小さなモラル違反。それが小さな男の子の命を奪った。
前半は、彼らの描写から始まり、遅々として進まない物語にちょっと辟易。これがどんな風に繋がっていくのか、はやる気持ちでページをめくった。
街路樹の脇にいつも犬の糞をさせる老人。道路拡幅工事のため街路樹を伐採する計画を阻止するために立ち上がる老婦人。
待ち時間が嫌で、夜間診療に風邪で通院する大学生。責任を問われるのが嫌で、内心、緊急の患者が来ないことを願う医師。
大きな車に買い換えたため、車庫入れがうまくいかず、途中で投げ出すOL。
市民の苦情で犬の糞の処理しなかった役所の職員。極度の潔癖症で、糞のために街路樹の点検をしなかった造園業の職人。

小さな、本当に小さなモラル違反が、無責任が連鎖して、男の子が死んだ。
男の子の父親は、この悲しみ、怒りをどこにぶつけるべきなのか。

誰一人として謝らない。誰か一人でも、悪かった、申し訳ない、と思ってくれたのなら、と何度も何度も悔しい思いをした。
でも、父親は気付く。彼らを責めることは出来ない。小さなモラル違反、これくらいならいいか、一回だけなら、そんな些細なモラル違反は誰しもが経験している。それが、どんな風に連鎖して悲劇を生もうとは考えもせずに。

なんて気分の悪い物語を書くんだ、と「愚行録」で証明済みの貫井氏だけど、これは自分にも当てはまることで、小さなモラル違反でも、守れることは守らなくては、と思う。

突き詰めると、やっぱり、あの犬の散歩をさせてた老人が一番の発端だよね。
車庫入れの女性が、免許証を捨てたことが少しだけ救われた。




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2007年11月10日

夜想 貫井徳郎著。

交通事故で妻子を失ってしまい生きる力、後を追って死ぬ力さえ奪われた雪籐。そんな雪籐が、ある日不思議な能力を持つ遙と出会い、徐々に生きる目的を見出していく。
遙の能力によって多くの人を救いたい、遙と雪籐の願いは一つだった。しかし遙の力によって救われたい、自分たちも力になりたい、と集まる人々によって少しずつ変貌を遂げていく。

なんていうか、貫井氏の書く人物って好きになれないキャラが多いんだけど、この雪籐も嫌いだった。ずっと続くと思ってた、そんなことすらも考えないほど当たり前だった自分の日常が、交通事故によってすべて失われてしまった雪籐の絶望はもちろん同情する。
でも、なんかすごく最初から嫌いだった。
雪籐は遙によって救われたのではなく、救われたがってる男。最後に書かれるこの一言を、多分最初から感じていたからだと思う。

救われたいと願う彼の気持ちは至極まっとうで当たり前で責めることはできないけど、でもすごくうざかった。

人間を特別な存在として崇めると、そこにお金の匂いをかぎつけてくる人物やら、サークル化する若者やら、それぞれの心の動きはすごくリアルで、さすが貫井氏。

笠置も、磯崎も、雪籐も、女性スタッフも、どうもみんな好きになれなかった。
きっと私も、雪籐の立場だったらなにかに救われたいと願う気持ちは人一倍強いかも、だからこそ、同じ匂いがして好きになれなかったのかな。
実際には遙の能力に頼りたい気もするけど、そのくせこの作品において遙の能力だけが浮いていた気がしてしまうのはなぜだろう。

せめて、ちょっと勘が鋭いだけ程度にして欲しかった。
posted by じゃじゃまま at 22:49| Comment(7) | TrackBack(5) | 貫井徳郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月13日

ミハスの落日 貫井徳郎著。

なんだか時間がかかりました。これはすべて海外を舞台にした短編小説を書くという趣旨で書かれてるので、私の感想なんぞは戯言と思ってください。
やはり、ほとんどの人物が外国人ってのは違和感ありました。だってこれ日本人作家だよね〜、ジュアンだのオルガスだの、マフムードだのヘンドリックだのと言われてもピンと来ないし、外国人のあれこれを日本人が書いてるのかと思ったら、ちょっと気恥ずかしくなりました。
で、お馴染みの日本人が「ジャカルタの黎明」で出てきたときはほっとして、物語の距離もグンと縮まった。
だからといって、じゃあ、外国人が出てちゃ駄目なのか?読めないのか?聞かれれば、別に読めますけどね。

でも、なんていうか、できればどの短編も、それぞれの国で日本人が巻き込まれてた方がしっくりというか、グンと身近な話というか実感が湧くってもんなんだけど。ああ、私って人間が小さい!

一言で言うと、あんまり面白くなかった。多分しばらくしたら思い出せない。なんたって読むのに一週間以上の時間かかったということは、それが答えだな。
しいていえば「カイロの残照」かな、展開にドキドキしたのは。
多分そんなこったろうとは思ったけど、スリリングだった。
posted by じゃじゃまま at 16:43| Comment(7) | TrackBack(6) | 貫井徳郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月10日

被害者は誰? 貫井徳郎著。

う〜ん。この本、読み終えるのに1週間もかかってしまった。文庫本で、しかも短編集なのに。
正直、どうでもよかったというか、主人公の捜査一課の刑事と、大学時代のサークルの先輩で、売れっ子推理作家のコンビが事件を解くって話なんだけど、この先輩がしつこいくらいに後輩をけなして、少々うんざり。そのひねくれた性格はどうでもいいから早く事件を解け!!と何度突っ込んだことか。

ま、最初の「被害者は誰?」は、犯人は分かってるんだけど、一体誰を殺したのか、日記を解読しながら謎解きは、真相は意外だったし、それなりに引き込まれたけど、後ろの解説で、
「この本は軽味のものが読みたい。あっという間に読み終えて、連作短編集だから途中でもやめられる本」ってところに、深く共感。
私風に言えば、軽いけど、まわりくどい描写に少々辟易して、何度でもやめられる、と私は評価する。

全編を通して、一体誰が被害者で、目撃者で、探偵で、名探偵なのか、意外性はあるし、真相はそれなりに楽しみ。
でもなんだか疲れた作品だった。
貫井作品は、読み込める作品と、どうにも苦手、に分かれるな。
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2007年02月24日

空白の叫び 貫井徳郎著。

≪★★★≫

少年犯罪・・・常に心に瘴気を抱えていて暴力を振るい他人の怯えによって自分の存在を確保している久籐。
私立校に通いお抱え運転手もいる家庭に育ち、常にそれらしく振舞うことを苦もなくやってのける少年、ただ愚鈍な幼なじみにだけは苛立ちを抑えられない葛城。
実母に捨てられ、祖母と叔母と暮らし、いつも他人に依存している甘えた神原。
この3人の少年が、どのような罪を犯し、そして出会ってしまうのか。

その前置きが長かったように感じたけど、最近は大島作品や重松作品を読んでほのぼのしたり、涙流したりしてたので、こういう現実を突きつけられるのは怖かった。
温かいお話も実在するけれど、貫井氏の書く病んだ話も実在することを知っているだけに、暗くなってしまったよ。
こうまでして闇を書く必要あるんだろうかと思ってしまうよ。
貫井氏の「愚行録」は人間の側面性を興味深く読めたけど、その結末には本当にやりきれなさが残ったし。これもあのときの二の舞か?と身構えてしまった。

更生を邪魔されるという点では真保氏の「繋がれた明日」を思いだし、強盗に至ってはなんか引っ掛かるものがあったけど、どのような結末にいくのか、怖いもの見たさな部分もあった。

加害者を主役にしていると、思わず、応援したくなり、更生の邪魔してる人間に怒りすら感じるけど、でも待てよ、と。
数年前、あるテレビに集団で女子高生を監禁し乱暴して殺害した加害者が、少年というだけで数年で社会に戻り、結婚して妻子に恵まれた生活をしていた。
そして青年になった元少年は言った。
「もしもこの子がそんな目に遭ったら俺は許せませんよ」と。

私は決してこの作品で、3人の少年に同情はしてはいけない。瀬田や柏木を責めてはいけない。むしろ応援をしなくちゃいけないのではないか、と。

彼らの行く末は、決して明るいものではない。犯した罪により、彼らは自分で自分の首を絞めたのだ。それが分かっただけでも今回はまだ、いいか。
神原が一番危ない、というのが分かったよ。ああいうタイプが、ね〜。





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2006年05月22日

愚行録 貫井徳朗著。

一家殺人事件。数年前に起きた世田谷の事件を思い出したけど、話はまったく別物。
セレブな奥様と、エリート社員。可愛い息子と娘。幸せな4人家族が何者かに惨殺された。
ルポライターのインタビューと共に、徐々に殺された夫婦の人柄や過去が明らかになっていくんだけど、それにはかなり興味を引かれた。

一見優しくて人付き合いのうまそうな妻が、同じ習い事だった近所の主婦の口から、最初はいい印象だったのに、だんだんと実はお嬢様なのを鼻にかけた嫌な人?でもこれは悪口じゃないんですよ、ただそう感じただけで、もちろん彼女は悪気もなく、気にしてないと思います、って風にうまくまとめられてて、それが大学時代の話になると、計算ずくのしたたかな女に仕上がってる。

私は個人的に、慶応大学の内部生と外部のお話が面白くて、このままずっと妻の大学時代の話だけでいいや〜って思ってしまうほど気に入ってしまった。実はここに犯人への足がかりがあったんだけど。

夫も、いい人だったのに、だんだんときな臭いエピソードが明らかに。
かなり粘着質で嫌な奴じゃん。
女性と割り切って付き合っていた大学時代と、社会人になってからの失敗談は、どう見ても同一人物とは思えないけど、ライバルを左遷させる辺りが本性かな。

で、最後までこの夫婦の出会いは語られなかったんだけど、もう一押し!そこまでどうせなら書ききって欲しかった。

そう、話自体は興味深かったんだけど、でも非常に気分悪いんです。

子供まで巻き込まれて、しかも犯人はそいつ??ルポライターにも途中から勘繰るものはあったんだけど、文中に兄妹の話が挟まれてて、いつこの話が繋がるのかと思ってたら、そういうこと!みたいな。

なんか余計だったかな、この部分。もちろん犯人がいなくちゃ納得はいかないけど、あの兄妹の話と、この事件の話は、繋がりが遠くて、急に来た!って感じがする。
しかも、そういう理由じゃ、本当に気分悪い!

被害者の夫婦は、インタビューではだんだんと化けの皮が剥がされるって感じだったけど、それでも嫌な感じじゃないの。嫌な奴、とは思うけど、それって誰しもが持ってる欠点だと思う。だから殺されなくちゃいけないってことはまったくなくて、結局そういう理由かよ!って、最近、子供が巻き込まれる事件が実際多いだけに、田向夫妻の過去は面白かったけど、ちょっとああいう事件は勘弁って、暗くなります。

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2006年05月03日

さよならの代わりに 貫井徳郎著。

う〜〜ん。これって傑作なんですかね?
27年後からタイムスリップしてやって来た少女、ある事件を解決するために来たのだけど・・・。
一体なにが軸?祐里と和希の淡い恋模様?タイムスリップ?殺人事件?

祐里の摩訶不思議なタイムスリップの話は、ラストで説明されるんだけど、おバカな私にはなんのことだかさっぱり。だから、未来の時間が進むごとに過去は遡るわけ?
最初の出会いは、これからの祐里なわけ??

紙に書いてみないと私にはさっぱり理解できなかった。強引に納得させらそうな雰囲気だったけど、やっぱりおバカなのかな、踏みとどまってしまった。

ここからは超ネタバレなので、これから読もうとしてる方、今読んでる方は見たら一気にテンション下がるので読まないでください。



祐里って結局死んじゃったんでしょ?名倉に殺されて、その瞬間未来に戻って、結局どうなったの??実際はこれから生まれてくるんだから生きてるんじゃないの?和希はこれでお別れじゃないよね!!??って必死になってたけど、2010年には祐里生まれてくるんだから、かなり年の差はあるだろうけど、会えるじゃん。ま、祐里の記憶には21歳までは和希のことは知らずに生きていくんだろうけど、その辺が私には理解できないんだよね〜。
やっぱ死んだまま未来に戻ったら、そのまま死んだことになるのか?


なんだか最後のところが無理矢理?って感じで。歴史は変えられないなら結局なんのためだったんでしょうね〜〜〜。

あと、どうも主人公の和希、こいつには終始イライラさせられっぱなしで、絶対異性でも同性でも友達には、ちょっとね。
私には納得のいかない作品でした。
posted by じゃじゃまま at 21:01| Comment(6) | TrackBack(5) | 貫井徳郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月14日

殺人症候群 貫井徳郎著。

症候群シリーズは傑作だっていうから読み進めてきたけど、最後に来てなんだか救いがなかったな〜。
貫井氏自身が、犯罪被害者の苦悩と葛藤、決断を書きながらも、著者自身の回答が見つかってないのかな、と感じてしまった。あえて読者に委ねているのか?

肉親を殺されてしまった犯罪被害者たちの救いは復讐によってなのか、復讐は悪か、結局のところ読んでいても本心が見えてこなかった。大体は、見え隠れして作者カラーを感じるもんなんだけど。

妻子を殺されてしまった倉持が殺人職業人に共感し、自らがその道へ進むけれど、当然環の裏組織からすればそれは認められないもので、でもラストは曖昧で、貫井氏の回答が見られなかったのが残念、三部作最後を飾る作品としては、私は一番納得のいかないものだった。

私だったら、心情的には倉持や響子側であり、きっと良心も咎めない、当たり前のこととして書き、絶対に鏑木や響子を怯ませないけど・・・でも本当に作者だったら、常識として言い切れない?そんな迷いを感じた。

息子のために殺人を犯し続ける和子、少女のためにも是非ともあの両親へは実行して欲しかった。母に虐待を続けるあの青年も・・・和子の躊躇と中途半端な良心が最後の悲劇を引き起こしたんだよね、結局。
響子も鏑木も倉持も、私は許せる。

でも彼らの最期は、そうなるしかないような結末なのに、なんか納得がいかないんだよね。
いいじゃない、復讐によってのみ救われたって。新たな悲劇を起こそうが、落ち度なく奪われてしまった命を、命で償ってもらったって、そう言いきって欲しかった。

登場人物や事件がてんこ盛りで、内容的には濃いのに、なんかまとまりがなかったように感じた。
posted by じゃじゃまま at 20:33| Comment(1) | TrackBack(0) | 貫井徳郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月20日

誘拐症候群 貫井徳郎著。

読みましたよ〜、絶賛されていた「症候群シリーズ」第二弾。
そうね、「失踪症候群」よりも洗練されてて、ますます面白いといえば面白いかもしれないけど、でもちょっと物足りなかったかも。

環さんも今回はちょっとだけの出番だったし。相変わらずの登場人物で、最初に必ず人物説明がつくんだよね。これはいつも多少飽き飽きしちゃうんだけど、早く肝心の事件にいってくれ〜って。

生後間もない赤ちゃんの事件は、私が睨んでいた黒幕とは違った。ちょっとあの犯人たちってのはありえないような気もするけど。そんな緻密な計算できそうもないし、それは納得できないな〜。私の予想していた黒幕の方が説得力あった気もするけど。

でも結局は、一枚噛んでたんだけどね。

高梨親子の確執は切なかったな〜、あの結末では。でもあのオヤジなら絶対やりそうと思ってたけど、高梨さんを責める気になんかなれないね。
ああ、「殺人症候群」が楽しみだ。やっとこれで読めるぞ。


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2006年03月06日

失踪症候群 貫井徳郎著。

最初に「殺人症候群」を手に取ってしまった。で、解説読んだら、このシリーズは最初から読むべし!と書いてあったので、急遽「失踪症候群」借りてきました!!!

最初に環の部署の女性署員が出てきたんだけど、この人は結局なんだったんだろう?
今後なにか役に立つことあるんでしょうか。
やたらと登場人物が多くて、最初の方はそれにページを割いてるので、読むペースが出てくるのに時間かかりました。眠くなっちゃうんだもん、なかなか肝心な軸が出てこなくて。

ただふと気付くと、もうペースに飲まれていて、どんどん読み進みたくなってしまう。
失踪事件が殺人事件に進み、ドラッグが出てきて、ふと気付くとたくさん出てきたと思っていた登場人物のほとんどが関係者だった。そりゃ、そうか。

関係ない人物をダラダラ書くことないもんね。

もしも最初に解説を読んでいなければ、もしも最初に手にしたのが「失踪症候群」だったとしたら、もしかしたら失踪症候群だけで終わっちゃってたかも。
解説で、この次の「誘拐症候群」が更に面白く、最後の「殺人症候群」で最高傑作、と書かれてなければ、ちょっと感想は違ったものになってかもしれない。

でも次の「誘拐症候群」も今から楽しみ。いまだ「殺人症候群」は手元にあるものの、読むのはお預け。

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2006年01月28日

悪党たちは千里を走る 貫井徳郎著。

久しぶりにうまい作家だと思った。
読みながらニヤニヤしちゃった。詐欺師なんだけど、全然憎めない高杉、菜摘子、そして抜けてる園部。

菜摘子にとことん出し抜かれて馬鹿にされてるのかな、って思いきや、たまには格好いいことも言うし、頼りになっちゃったりもするし、そして菜摘子も、最初こそは邪魔をして嫌な女だったけど、結構切れるらしいし、3人でそこそこうまくやってるしね。

高杉を心底尊敬しちゃってる園部のことを、思いっきり馬鹿にしながらも、高杉&園部コンビを実は微笑ましく思ってる菜摘子が、私は好き。
詐欺師が、狂言誘拐をさせられ、いや、当初こそ狂言誘拐のはずが、先を越されて、手先にされちゃうんだけど、ラストはちょっと痛快?
できれば、もう少しお金は頂いた方がよかったんじゃない?やっぱ詐欺師でもあんたはいい人だよ、真面目になりなよ、と高杉に変なエールを送りたくなった。

詐欺師は許せないし、犯罪だけど、高杉ならば、善人だけは苦しめなさそうだから、なんて思ってしまう私は甘いかも。
高杉と菜摘子はきっと憎まれ口を聞きながらも相思相愛?なんて幸せな想像をさせてくれてありがとう、貫井氏よ。


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