2015年02月12日

田村はまだか 朝倉かすみ著。

《★★★★☆》

深夜のバー。小学校のクラス会三次会。男女五人が、大雪で列車が遅れてクラス会に間に合わなかった同級生「田村」を待つ。各人の脳裏に浮かぶのは、過去に触れ合った印象深き人物たちのこと。それにつけても田村はまだか。来いよ、田村。そしてラストには怒涛の感動が待ち受ける。’09年、第30回吉川英治文学新人賞受賞作。傑作短編「おまえ、井上鏡子だろう」を特別収録。 (「BOOK」データベースより)

ようやく読んだ。
かつての旧友たちが田村を語る、中村理香を語る。
そして今は二人がよき夫、妻、パパ、ママであることも分かり、薄幸だった子供時代を乗り越えたんだな、と安心する。
旧友の一人は、恐らく田村の父親であろう人間と縁していたり、年下の教え子と切ない恋心を隠し持っていたり、浮気していたり、それぞれの問題も語られつつ、「田村はまだか?」なのだ。

そう、来ないのだ。

後に来れなかった理由が分かるんだけど、結構ショック。
それでも淡々と後日も語られ、最後の最後でバーで私たち読者は田村に会える。
その前に友人たちは病院で会ったりしてるんだけど、私たちは最後の最後に会えるんだよね。

こんなにも小学校時代の友人を待ってくれる旧友たち。
どこにでもある素材なのに、すごくおいしく調理した物語。なるほど、話題になっただけのことはある!

「おまえ、井上鏡子だろう」も、同じくクラス会に参加した他の友達の話。彼は田村は待たない。
どうでもいいんだろう。その帰り道、中学が一緒だった女性とすれ違う。
彼の中では記憶に残っているその女性。たまたま数回、あ、中学の時一緒だった子だ!って再会することもある。
でもそれだけで、別段人生に深く関わることも、その後縁することもないんだけど、でも、そういう再会ってあるよね。
その後で、井上鏡子が死亡欄に載っていても気付くことなく、ああ、またどこかで会うかもな〜ってのんびり想像してる。

どうでもいい再会って誰でもあることで、それを印象深く物語にしている。

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2014年09月17日

生存者ゼロ 安生正著。

《★★★》

エボラ出血熱やデングウイルスなど、世間を騒がせてるこのタイミングで、なんと恐ろしい本を読んでしまったことか。
というか、安生氏、すごいタイミングで執筆したね。もちろん、ご本人は預言者でもなく、たまたま、もっと以前から目を付けていたテーマに違いないけど。

北海道根室半島沖に浮かぶ石油掘削基地。
そこから緊急連絡が入り、そのまま連絡が途絶える。演習をしていた陸上自衛官の廻田は、救助に向かう。
目にした光景は無残な死体だらけの基地。生存者はゼロ。この遺体のあり様は、なにかの感染症か。
家族を果ての土地で奪われ、学界からも追われた感染症学者の富樫と廻田は、ウイルスの正体に迫るため、責任から逃れようとする政治家や富樫を陥れた元同僚たちと闘いながらも、調査する。

国民がパニックになり、収拾がつかなくなることを恐れ、情報をひた隠しにする政府。なんとかこのまま終わってくれないか、と希望的観測で調査を打ち切った後、とうとう北海道のある町で同じような死体が溢れ、本土に迫るカウントダウンが始まる・・・。

そうかそうか、ウイルスか。
どっかの組織が生物テロを起こしたのかと思ったけど、そうではなかった。
人間が自分たちの文明のため、掘り起こしてしまった、恐ろしいウイルスだった。

ちょうどドラマで、シロアリ駆除業者が一家殺人事件を起こしたのと重なったため、シロアリ、ウイルス、嫌な感じだった。
感染すると猶予もないまま発症して、致死率100%で、結局、シロアリ同士の縄張り争いに賭けるしかないのも、救いがなくてラストがパッとしない。
責任逃ればかりの政治家に、まさか現実ではもう少しマシだろうと思いたい。

そもそも、地方自治体に任せてる方が絶対逃げられないって、中央の政治家さん。そこ、わかんないかな。

家族を失った富樫が、薬物中毒になってしまったのも、なんとも救いがないし。

この先、これからも未知のウイルスが出てくる気がして、人間が先を行きすぎると、こうやって警鐘を鳴らされるのかな。


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2014年06月04日

血の轍 相場英雄著。

《★★★★》

命を賭した、刑事部と公安部の壮絶な覇権争い。
刑事たちを突き動かすのは、正義か、威信か、それとも本能か。

東京都内の公園で絞殺体が見つかった。被害者は元刑事。警視庁捜査一課の兎沢が調べると、被害者は殺される直前、パソコンのメモリーカードを知人に送っていた。兎沢はカードを追うが、入手寸前に邪魔が入る。立ちはだかるのは、かつて所轄時代に数々の事件を解決しながら兎沢に捜査のイロハを叩き込んだ公安部の志水だった。殺された元刑事は警視庁全体を揺るがす、ある事件の真相を掴んでいたのだ。事件を詳らかにしたい刑事部と、闇に葬り去りたい公安部の熾烈な争いが勃発し、兎沢と志水の絆が引き裂かれていく――。ベストセラー&ドラマ化『震える牛』を遥かに凌ぐ、大傑作警察小説の誕生!  (内容紹介より)

最近公安のドラマや小説を読むことがなぜか多い。
こんなに嫌悪感があるってことは、ドラマでも小説でも公安に対して好印象の描き方じゃないからなんだよね。決して私のせいじゃない、と思う。
と、先に言い訳をしておいて、本当に公安ってやなところだよね〜〜。

公安対刑事部の闘いって、いろんな作家さんが書いていて読んだけど、結局、公安の方が間違ってる(ような書き方をされてるよね)。
元SITだっけ?元警察OBが二人も殺されて、原因はある事件を退職後も追っていて掴んだ事実をもみ消そうと狙われてしまったわけだけど、ここでも公安が暗躍する。
もう腹立つくらい。

っていうか、公安が大事にしたいのは国家の威信であって、だけどね、そもそもの大元が間違った人選ならば、そんなものを信じさせられ、守られたって、こっちは嬉しくもなんともない。
間違った威信を守るためにいろいろやらかしてくれたけど、やっぱりあの副総監はとっとと自滅して欲しいし、今更国家の威信ったって、みんな、またか、やっぱりな、くらいしか思わないっていうのに。

それならいっそ崩れてから再編して欲しいくらいだよ。
この小説の通りなら。これ読んで、いい印象持つ人いないよね〜、公安に。

あの公安の曽野、その曽野に騙されて瞬きをしなくなってしまった志村。公安の動きのせいで愛娘を失ってしまった兎沢。まったくもって腹が立つ。
最後の最後で、志村は曽野に騙されていたことが分かった時、え〜〜〜ってショックだった。
なんだよ、なんだよ!!って。

正直、元警察OBが殺された事件を追って、公安と刑事部のバチバチの火花は、いったい、公安ってなにがしたいんだか、一般人には理解のできない理屈で嫌になりそうだったけど、兎沢の愛娘の墓前での、ラストシーンは、本当に救われた。

もう勝手にやってくれよ、っていう身勝手な争いだったけど、本当にあのラストシーン、あの数行で私はこの小説が好きになり、★が四つになった。
五つにしなかったのは、一般人からすると、そういう幕引きはどうでしょうって納得いかないから。

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2014年05月24日

暗黒女子 秋吉理香子著。

《★★☆》

聖母女子高等学院で、一番美しく一番カリスマ性のある女生徒が死んだ。
今晩学校に集められたのは、彼女を殺したと噂される、同じ文学サークルの「容疑者」たち。
彼女たちは一人ずつ、自分が推理した彼女の死の真相を発表することに。
会は「告発」の場となり、うら若き容疑者たちの「信じられない姿」が明かされていき――。
全ての予想を裏切る黒い結末まで、一気読み必至!   (内容紹介より)

まるで「花より男子」のF4かと思った。それくらい影響力のある女生徒、いつみ。こんな学校なんてあるのか?
庶民には分からないだけかな。

いつみが転落死して、サークル仲間がそれぞれ小説風に、いつみの死について知っていること、推理したことを語る。
一人が語る真実を、次の一人が覆す。
いつみがついた嘘、いつみの悪意、一体誰の語るいつみが本物で、誰が本当のことを言っているのか。

この手法は散々湊かなえ氏で読んでいるので、きっと犯人は最後に出てくるんだろうな、とは思っていたけど。
一番の友が裏切るっていうのはよくあることなんだけど、理由がイマイチ現実的じゃないっていうか、あ、そう来る?って。
女子のドロドロは面白かったけどね。

posted by じゃじゃまま at 21:24| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 あ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月02日

震える牛 相場英雄著。

《★★★★》

平成版『砂の器』誕生!

警視庁捜査一課継続捜査班に勤務する田川信一は、発生から二年が経ち未解決となっている「中野駅前 居酒屋強盗殺人事件」の捜査を命じられる。初動捜査では、その手口から犯人を「金目当ての不良外国人」に絞り込んでいた。田川は事件現場周辺の目撃証言を徹底的に洗い直し、犯人が逃走する際ベンツに乗車したことを掴む。ベンツに乗れるような人間が、金ほしさにチェーンの居酒屋を襲うだろうか。偶然同時に殺害されたかに見える二人の被害者、仙台在住の獣医師と東京・大久保在住の産廃業者。田川は二人の繋がりを探るうち大手ショッピングセンターの地方進出、それに伴う地元商店街の苦境など、日本の構造変化が事件に大きく関連していることに気付く。
 これは、本当にフィクションなのか?
 「地方」の現状を描くことであぶり出させる、日本の病巣!
 衝撃のミステリーエンターテイメント大作!             (本紹介より)


面白かった!!初相場氏だけど、タイトルにぞっとする。このタイトルが出てくるのは、本当に終盤の一行なんだけど、なんだろう?字の通りでぞっとしたんだよね。
これ読むと、スーパーのお惣菜買う気しなくなるし、ショッピングセンターにも複雑な思いが出てくる。便利なんだけど・・・。それに、正直個人商店よりもスーパーの方が安いし・・・。

それにしても、2年前に起きた居酒屋強盗殺人事件と、記者の私怨ともいえる大手ショッピングセンターを手掛ける大企業相手を執拗に追い続ける鶴田の記事が、一つに繋がっていく過程はすごかった。
正直、ショッピングセンターの進出云々はあんまり興味なかったし、これが居酒屋強盗殺人事件と関係あるの?って焦れてた。
ところが、売上金目当ての外国人の犯行説から、地取りの鬼のメモ魔の異名を持つ田川が再捜査して目をつけたのは、巻き添えになった客だった。
ここがすごい!売上金目的の強盗から、実は巻き添えになった客こそが犯人の狙いでは?と気付くなんて。

どんどん大きな風呂敷が小さくなってくる辺り、早く早く!田川と鶴田が知っていることを教え合えばいいのに!って興奮してしまった。
最後、田川は信頼していた上司、捜査一課長宮田に裏切られたのは、現実的な後味の悪さというか、現実的な諦めの余韻を残す。事実に近いフィクションだ!

結局、真相は世に出すことはできないけれど、それでも未解決だった事件の犯人が捕まってよかった。
相場氏、チェック!

posted by じゃじゃまま at 22:00| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 あ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月12日

光圀伝 冲方丁著。

《★★★》


水戸黄門で知られる水戸の光圀。
そうだったのか。あんまり歴史に興味のなかった中学時代。授業で聞く歴史って面白くないもんね。
でもさすが夫はきちんと聞いてたらしく、いや、それが常識なのか。徳川家の顛末は知っていた。
でもでも、光圀の父は徳川家康の十一男だったこと、光圀が実は三男だったこととか、意外に知らないんだよね。
学校の授業ではそこまでやらないか。将軍じゃないしね。

そう、光圀は長子ではないのに、病弱だった兄や夭逝してしまった兄に代わり長子として届けられ世子として認められる。
それをずっと内心で疑問に思っていた光圀。なぜ自分なのか。

父、頼房の頑なまでの子への無関心。子供たちはみな父に棄てられるのはないか、認めてもらえないのではないか、と愛情や信頼を欲している。
そんな事情も、光圀や同じ母を持つ兄、の出生の秘密にあった。本来、家光のために整えられた女性、谷久子と父、頼房が通じてしまい、できてしまったから。
「水にならなければならない子」の兄、そして夭逝した次兄、またもや久子との間にできた「水にならなければならない子」光圀。

父のその言葉に隠された本心。それをそうと察した家臣たち。

三男である光圀が世子となり、ずっとなぜ自分なのかという疑問を父に持ち、自分が兄を追いだしたと申し訳なく思う光圀が、後に自分で見出した「義」。

それは水戸徳川を本来の血筋に返すこと。
家督を兄の子に譲るため、兄の子を養子にもらう。その矢先、光圀は侍女との間に自分の血筋が流れる子を持ってしまう。
その時志を持つ光圀から出た言葉は、かつての父と同じだった。なんという皮肉。

それにしても光圀とは「義」を通す人なんだな。将軍家が自分の血筋のことしか考えないのに対し、あくまでも長男にこだわり、結果、本来の血筋に戻すことに成功している。
光圀の元へは兄の子が。兄の跡には光圀がかつてなかったことにしようとした子が。

光圀の義は、平和のための徳川安泰と存続。晩年、自分が手塩にかけ信頼を置いていた家臣、紋太夫と互いの「義」が相反するものだったため、斬ってしまうが、後に紋太夫の「義」が叶うこと、そして光圀が認めなかった大政奉還を、水戸藩主七男である慶喜が行うのも、本当に皮肉。

そうやって考えると、受け入れられなかった二代目光圀から慶喜まで水戸藩主の歴史を読むのも興味が湧いてきた。


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2011年12月02日

キミは知らない 大崎梢著。

≪★★★≫

悠奈の学校に臨時でやって来た教師。その冴えない先生とは図書室で出会った。悠奈の亡き父の本を読んでいてくれたのが嬉しかった。
その先生が突然去り、悠奈は先生宛ての宅配便の住所を見て驚く。
亡き父の手帳に書かれていた住所だったから。

先生と父親の関係は?父親のことは家でもタブーになっているからこそ、なんでもいいから知りたいと思う悠奈。
先生の家まで行くと、先生を知っているという女子高生と出会い、先生と再会するが、冴えない先生とはまるで別人の男の人になっていた。

そして悠奈はある村の勢力争いやら後継者争い、味方だか敵だか分からない、敵も味方も入り乱れての冒険劇に巻き込まれていく。

本当は冒険劇ところじゃない、悠奈の父親や、先生の関係者が十数年前に一緒に火事で亡くなっていたり、悠奈も命を狙われたりと、サスペンスなのに、冒険って言葉が大崎作品には似合う。

大事なのに、どこかフワフワと女子高生の冒険劇。
ちょっと上から目線だけど、大崎氏は、冒険劇でいいんじゃないか。なにも事件を大きく大きくしようとしなくても、日常の些細な事件の方が合ってる気もする。

「キミは知らない」もたいそうな話ではある。大富豪がいて、その家に気に入られようと殺人にまで手を染める一族と、巫女の家系の一族。
巫女の一族復活を恐れる一派は悠奈をどうにかしようと妨害するし、大富豪の曾孫説あったり、お父さんと一緒に亡くなった女性との関係も不倫なのかなんなのか。

そうそう、大崎氏はもったいぶりがクセだから、最初にいろんなこと思わせぶりにしておいて、後出しじゃんけん的にぜ〜んぶひっくり返して。

それでも実は結構ワクワクして、思わせぶりな展開にイライラしながらもハマっていた。
できれば悠奈には巫女の血筋を大事にしてもらいたいもんだ。

冴えない先生が急に格好よくなる・・・う〜ん。いい男ならどんなに冴えないフリをしてても分かるもんだけどね〜〜。女子高生の目は節穴じゃないはず。
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2011年08月31日

かがみのもり 大崎梢著。

≪★★★☆≫

厚介のクラスの男子生徒二人が、神社の裏山の中で不思議なものを発見したという。
それは決して触れてはならない、見つけてはいけない町のタブーだった。
そうとは知らずに生徒がブログに書き込んでしまったことから、怪しい集団に追われたり、興信所の男と知り合ったり、正体不明の少女からメールが来たりと、身辺がにわかに騒がしくなった厚介たち。

大崎氏はうまくなったんじゃないですか。
以前はもったいつけすぎて、先を知りたい好奇心よりもイライラが上回った作家さんだったけど、今回はうまい具合に情報を出しつつ、最後まで引っ張りきったと思います。

十数年前の新興宗教の出現。嵐での山崩れで埋もれてしまったお宮。お宮の中に隠されていた宝。そして予想もしなかったもう一つの宝。

あえて厚介の実家を神社にしたのはちょっとわざとらしい気もするけどね。
でもなかなか、最後まで面白く読みきれました。


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2011年03月25日

ちょんまげぷりん 荒木源著。

≪★★★☆≫

シングルマザーの遊佐ひろ子と息子の友也は、ある日、お侍の格好をした男を見かける。
行きがかり上、お侍の格好をして木島安兵衛と名乗る男はひろ子の家に居候することになり、安兵衛は江戸時代から来たと言うのだ。
物言いといい、物腰といい、どうやら本当のことらしい。
シングルマザーで仕事をし、家事に手が回らないひろ子に代わり、安兵衛は掃除洗濯炊事すべてを完璧にこなす。
女が家のことをすることが当たり前だった江戸時代の安兵衛の言い分や挙動が可笑しく、ごもっともな意見で、耳が痛いけど痛快でもある。

いつしかひろ子も安兵衛のおかげで家庭のくつろぎを感じ、仕事にもやりがいを感じ始めた。後輩の田中との関係も良好になる反面、友也との時間が少なくなっていく。
その頃、ママ友が応募した料理コンテストで安兵衛は見事優勝し、マスコミに取り上げられひろ子や友也とのすれ違いが続いていく。
そして安兵衛に会いたい一心で友也が行方不明に・・・。

前半は現代に来てしまった安兵衛の戸惑いぶりが可笑しくて笑ってしまった。
だんだんとひろ子が安兵衛に依存し始めるところから、恋愛モードに入るのかなと思ったけど、そっちにはあまり比重を置いてなかったみたい。
それよりも最後は田中君の方が積極的だった。

映画は見てないけど、小説では映像と違って料理が視覚に飛び込んでこないから、残念ながらさほどイメージは湧いてこなかった。でも江戸阜凛食べたいな。

安兵衛の現代の女性を斬る目は、すごい。自分も言われてる側なんだけど、ごもっとも!って納得してしまった。
江戸に戻ってしまった安兵衛だけど、「ちょんまげぷりん2」はどんな話なんだろう、気になる。

解説でタイムトラベルもので原田康子の「満月」梶尾真治の「つばき、時跳び」などが出てきて、なかなかツウなチョイスで嬉しくなった。
特に「満月」は好きだから。


posted by じゃじゃまま at 16:39| 神奈川 ☀| Comment(2) | TrackBack(1) | その他 あ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月12日

背表紙は歌う 大崎梢著。

≪★★☆≫

出版社の新人営業マン、井辻智紀。名前ももじり「ひつじ」と呼ばれ、書店員さんからも慕われ人気だった先輩、吉野の後釜として配属され、少々肩身の狭い思いをしながらも、本屋さんで起こる珍騒動に巻き込まれたり巻き込んだりしながら奔走する業務日誌、第二弾。

「ビターな挑戦者」 取次ぎの社員に初対面で馬鹿にされ、なにがなんだか分からない井辻。その名もデビル大越。彼は、なぜゆえに出版社員を目の敵にするのか。
そこにはデビル大越の、本屋への想いがあった。

「新刊ナイト」 新刊が出る作家の書店まわりが決まった。なんでも自伝的要素の強い新刊で、問題作になりそうだ。ところが、その書店にかつての同級生がいることが判明。なんとか書店員と会わずに済む方法はないか、作家と書店員の関係は?井辻たちの奔走が始める。

「背表紙は歌う」 同業の女性営業マンに、とある地方の書店の危機を調べてほしいと頼まれた。その書店には、血は繋がっていないが、かつて親子として暮らした少女がいたのだ。他社の真柴と連絡を取り、新潟の書店のオーナーと、地元の後援者になにがあったか調べを始める。少女の想い、後援者の想いは伝わるのか。

「君とぼくの待機会」 日本有数の文学賞に、井辻の勤める明林書房からも初のエントリー作が出た。どの社のどの作家の作品が受賞するのか。各担当営業マンにも力が入るその時に、実は受賞作は決まっている、という噂が、書店員の間で広まっていく。
一体誰が?なんのために?悪意なのか?それぞれの作家がナーバスになって大騒ぎ寸前。無事に文学賞を終えるため、井辻たちは力を合わせて、噂の元を辿っていく。

「プロモーション・クイズ」 新刊の推薦コメントを書店員にお願いするのも、井辻たち営業マンの仕事である。そのコメントの中に、ある謎めいた文章の書かれた紙切れが。
答えはどこにあるのか。新刊の中には「ない」とされていたはずだが、それを見抜いた書店員がいた。
ちょっとしたサプライズもありの、書き下ろし。

書店で起こる珍騒動、特に「君とぼくの待機会」は面白かった。ちょっとした勘違いで、憶測が事実となって広がる不思議。人騒がせな大学生アルバイト君には、グーでパンチして欲しいとこだ。
ただ、先の三篇に関しては、大崎氏のクセなのか、なんでもないようなことを思わせぶりに書きすぎるきらいがあるよね。
以前から、引っ張って引っ張って引っ張りすぎのところが気になっていたけど、短編になるとさすがに引っ張るほどページ数はないからね。
でも、ミステリ風にこだわるよりも、普通に書店で起こるちょっとした出来事を、心温まる風に書いてもいいんじゃないかな〜、って偉そうだけど、ちょっと思った。

なにもそこまで騒がなくても、って感じがしちゃって。

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2010年11月09日

スープ・オペラ 阿川佐和子著。

≪★★★≫

生まれてすぐに母が亡くなり、母の妹であるトバちゃんにずっと育てられてきたルイ。鶏がらで作る料理が得意なトバちゃんとの二人の生活はずっとずっといつまでも続くのだと思っていた。
ところが突然、トバちゃんは家を出て行ってしまった。愛する男性と共に。
途方に暮れるルイだが、ある日庭先に不思議な老人トニーさんが入り込み、そのまま居ついてしまう。
学生時代の友人に誘われた夕食会で出会った青年康介までもが居候になり、奇妙な奇妙な三人の共同生活が始まる。

映画の予告を見て、料理がすごくおいしそうに見えたので嬉しくなって、原作を読んでみた。
映画の方は見ていないけれど、うん、これは【かもめ食堂】同様、映像の方が鮮やかかもしれない。料理を見せるということに関しては。

結婚というか、恋愛そのものにあまり縁のなかったルイ。そんなルイのところへ、年下だけどそれなりの年齢の康介が現れ、恋愛感情のなかった二人だが、康介の恋愛遍歴を見たり聞いたりしながらも、変化が訪れる。
トニーさんはとても不思議。トバちゃんから逃げるように、急にいなくなったり、ルイを大事に大事に守っている様子は、もしかして父親なのかも、って察しはついてた。

物語では明らかにされないけど、そして、それはどっちでもいいことなのかもしれないけど、ルイと、康介、トニーさんの奇妙な、だけど居心地のいい共同生活がずっと続いて欲しい、多分ずっと続くんだろうな。


posted by じゃじゃまま at 11:07| 神奈川 ☀| Comment(4) | TrackBack(1) | その他 あ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月29日

ねずみ石 大崎梢著。

≪★★☆≫
サトの住む村では、祭りの日は子供たちがねずみ石を探す。願い事が一つだけ叶うとされている石だ。
4年前の祭りの日、ねずみ石を探していたはずのサト。そして、その祭りの日に、村では母娘の惨殺事件が起きていた。
サトにはその夜の記憶がない。
なにかを見たはず。見たことを思い出せ。いや、思い出すな。
思い出してないことは誰にも言ってはいけない・・・。

サトの目の前に再び刑事が現れた。4年前の事件がまた動き始めた。

サトが中学に入ってから友人になったセイ。祭りのことを調べたいと言い出し、村に出入りする。サトの幼なじみで、祭りの日に行動してたとされる大好きな修ちゃん。一時容疑者だった修ちゃんのお兄さん。お兄さんのアリバイを証明した玉置。

いったい誰なんだろう。

それぞれがなにやら含んでいて、そしてこういう話にありがちな、素人大暴走にイライラしながらも、ミステリとしてはそこそこ楽しめた。

でもさ、でもさ、警察なら早い段階で犯人分かりそうだけどね。4年間引っ張らなくても。
最初の頃のセイがちょっとうざかった〜。中学一年で、あそこまで事件のことグイグイ突っ込んできたら、ちょっと私なら嫌いになるかも。
ま、それなりの事情がおありのようですけど。

あそこまで気にしていた施設だけど、結局そういうところへ行くことになるのかな。


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2009年06月18日

スノーフレーク 大崎梢著。

≪★★★★≫
面白かった。
小学生の時、大好きだった幼なじみが死んでしまった。その少年、速人を見かけたという。そして真乃の目の前にも速人とよく似た青年が現れ、速人は生きているのではないかと思われる不思議な出来事が続く。

いつものじれったい大崎氏なのかと警戒してたけど、なかなかどうして。
速人は生きているのか。事件の時、速人の遺体だけが見つかっていない。
似ている青年、勇麻の正体は、速人なのか?
もう一人の幼なじみ、亨。
なんでこんなに真乃がもてるのか、出来すぎなくらいなんだけど、ま、女子のハートは掴むでしょう。このあま〜〜い感じは。

こんな甘いの書くんだ〜と新鮮な気持ち。嫌いじゃない。
真相まで、本当に引き込まれた。
真乃がずっと好きだった男の子、ってところ、なかなか無難などんでん返しで、よろしいんじゃないでしょうか。

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2008年11月24日

誘拐 五十嵐貴久著。

≪★★☆≫
現職総理大臣の孫が誘拐された。犯人の要求は?北朝鮮の工作員なのか?国内は韓国の大統領の来日を向かえ、警察官は総動員。
人出が足りない中、警察は誘拐犯にたどり着けるのか。

ってな具合だったら面白かったのにね。
観光会社の人事部で、同僚をリストラさせ一家心中に追い込んでしまい、娘まで自殺で亡くした秋月が誘拐犯って分かった時から、全貌は想像ついてしまってたから、前半はどうでもよかったんだよね。
やたらと説明が長くて、ああ、登場人物もごったごたといっぱいいたから、飛ばし読み。

後半からの秋月たちの本当の狙い、真相に気付いた星野がどこまで迫ってくるのか。ラストの告白が聞きたくて、後半は読み応えがあった。
最初から百合の存在は分かってたから、そこは明らかにした上で、真相に警察や総理が気付くか気付かないかって展開の方がスリルあったりして。

多感な時期とはいえ、お父さんの仕事で親友一家が心中。後を追う?
どちらかといえば、なんとかツアーズの人間たちに復讐したい気分だったかも。

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2008年10月11日

夏のくじら 大崎梢著。

≪★★★≫
大崎氏の本屋以外の本ですね。
あ、他にも一作あったか、本屋以外。
東京から父の故郷である高知へ、大学進学のために祖母の家にやって来た篤史。従兄に誘われ、4年前に参加したっきりのよさこい祭りへ、戸惑いながらもまた参加することになった。
いったい、篤史はなぜ東京から高知へ進学したのか?
4年前のよさこい祭りの日に、なにがあったのか。

大崎氏のクセなのか、ちょっと大げさなまわりくどさは、多少気にはなったものの、「よさこい祭り」への興味と羨望を感じた。
それはお見事というか、大崎氏も成長したな〜と。
できれば、もっともっと、もっともっと熱くして欲しかった気もする。篤史や他の登場人物のキャラが、大崎氏が生真面目なのか?固さが印象に残ったかな。

篤史の探していた人、そこが今回の最大のミステリだったけど、そこはやっぱり欠かせないのね。今後二人がどうなるかは分からないけど、そこは爽やかなラストだったな。
ただ、東京から高知へ、その理由が弱かった気もするんだけど〜。
東京でなにがあったのか、なにかあった方が説得力増さないか?

な〜んて偉そうだけど、自分だったら、やっぱり新生活知らない土地で始めてみたいって気持ち分かるかも。
地方都市がこうやってなにかを持ってるってすっごい素敵なことだと思った。
だって、もしも高知にいたら「よさこい祭り」出てみたかった。ひと夏、燃えつきてみたかった。高知生まれもいいね!
posted by じゃじゃまま at 21:33| ☁| Comment(6) | TrackBack(7) | その他 あ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月23日

平台がおまちかね 大崎梢著。

≪★★★≫

あの「成風堂シリーズ」の著書の、新たなる短編シリーズ!?
書店の販売員さんから、今度の主人公は出版社の営業マン。そうだよね〜、本好きには堪らない設定だよね〜。そうだそうだ!出版社といえば編集の仕事を真っ先に上げてしまうけど、作家さんと作り上げた小説を、売り込むという仕事もあったんだね〜〜。
ちょっと目から鱗。あ〜あ、どうしてもっと早くにいろんなこと気付かなかったんだろう。
タイトルの「平台」も、てっきりどっかの地名の話かと思い切り勘違い。なるほど、本屋の平台ね。

「平台がおまちかね」は、新人営業マンの井辻君の先輩営業マン吉野と本屋の主人との、果たせなかった約束と平台を舞台にしたお話。うん。これは結構よかった。書店の店長さんと吉野の信頼関係がよかった。

「マドンナの憂鬱な棚」は、またまた大崎氏らしいというか。正直、種明かしは、あんなに大げさじゃなくてもよかった気がするけどね。
なんというか、普通にマドンナに「それ、ただの勘違いですよ」って教えてあげればいいだけじゃないかと・・・。

「贈呈式でお会いしましょう」、井辻君の勤める明林書房主催の文学賞の贈呈式。当日になって、受賞者が来ない!?かつての流行作家からの伝言は、まさか盗作だった?と思わせるような伝言だし。
うん、面白かった。

「絵本の神様」、井辻君が東北地方の書店を回ろうとしたら、閉店の貼り紙。書店主人が、兄と甥のためのお金の工面でどうやら本屋さん、続けられなくなったらしい。井辻君と同じく閉店を知らずにお店の前で立っていた男性は?
男性の正体と語っていたことに、泣いてしまった。分かってくれればいいんだよ。

「ときめきのポップスター」では、思わぬところで多絵ちゃんの存在が。ただ分かりにくくて、懲りすぎてた気もする。
だけど見知った作家さんの名前や作品名が出てくるのは、本当に嬉しい。

読んでて、本の帯のことが出てきたけど、それで思い出したのが東野圭吾氏の「流星の絆」の帯!あれはちょっとレッドカード?いったい誰が書いたのか気になった。どんな意図があったのか、はたまたただのセンスの問題なのか。
posted by じゃじゃまま at 22:28| ☔| Comment(8) | TrackBack(8) | その他 あ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月15日

氷の華 天野節子著。

≪★★★≫

結構量もあったのに、グイグイ引き込まれてしまった。
出だしは、陳腐。まるで2時間ドラマにありそうな、夫の不倫を愛人によって電話で知らされる妻。サスペンスドラマの冒頭だよ〜。
ありがちな冒頭だからこそ、すんなり馴染んでしまったのかも。
読み始めに抵抗なく、そこから始まる、犯行、アリバイ工作、罠、裏の真犯人、刑事との対決、もう止まらない。

それにしても犯行に走るまで早い早い。
愛人からの電話の翌日だもん。そして罠。ここで読者も一つの罠にかかるんだよね。
ま、あんな書き方で真犯人が分かる人もいないと思うけど。
それにしても恭子は頭の回転がいい、よすぎ!私にはできない。

プロローグのおじいちゃんも、この人がいったいどこでどう関わってくるんだろう、って途中までは覚えてたんだけど、話が進むにつれて、自分自身も恭子の視線で真相知りたいし、刑事がどこまで来るか、恭子と戸田の対決、そこに夢中になってしまって、おじいちゃんのことすっかり忘れちゃった。
でも、ちょっととってつけた感じがしないでもないか。

裁判の章は、なるほど!なるほど!恭子の計画に、驚いた。
そして、物語を書いた天野氏にもさすがだ!と思ってしまった。
こうさせるために、すべて書いてたんだと思うと、真似はできないね、やっぱり。
恭子の第二の犯行は、その時にはすでに恭子の味方になってしまった私には、悔しいよ。エアメールで刑事に情報を与えた友人には、ここでそんな都合よく思い出すなよ〜と。
あの家政婦の裏切りも、ほんと、2時間ドラマみたいで、だからこそ読みやすかった。
posted by じゃじゃまま at 23:44| ☔| Comment(2) | TrackBack(1) | その他 あ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月03日

アドニスの帰還 安東能明著。

読み始めはすんなり入ってきて、よさげだったのに、ちょっと分かりづらい物語だった気がする。
日系ブラジル人のエリザは、16年前、義父に襲われそうになり家を出てストリートチルドレンとなった。そこで、コロニアの虐殺と呼ばれる、ストリートチルドレンの大量殺戮の唯一の生き残りとなる。
逃げるように日本に渡り、人材派遣の会社で働きながら警察での通訳もしている。

日系ブラジル人の少年が起した、コンビニ強盗致傷事件。その取調べを担当してから、エリザが忘れたくても忘れられない16年前のコロニアの殺戮の過去が追いかけてくる。
中里一家惨殺事件、雄鶏と呼ばれる男の会社のお金持ち去り事件、コロニアの殺戮の主犯ジトという男をマフィアが追い、エリザの周辺も慌ただしくなる。

結局は、コロニアの殺戮の主犯、ジトへの復讐の話だけど、いろんな事件が絡み合って、分かりづらいんだよ。どうしてエリザがそんな推理するのかとか、ちょっと理解できないまま、物語がそう進んでいくんだからそうなのかと無理矢理納得してる部分も多々あって、適当に読み進めてしまった。

なので終盤だけが面白かったって感じ。ジトの正体、マフィアの素顔、ミステリなのに、最後に突然ハートマークっぽくなったりして、つかみ所のない物語でした。
posted by じゃじゃまま at 22:17| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 あ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月22日

片耳うさぎ 大崎梢著。

≪★★≫
発見した。お前は多絵かい!?大崎氏は、成風堂の多絵ちゃんだった。・・・つうか、も〜〜〜、話が進まないっちゅうか、引っ張って、もったいつけた話の展開にイライラ。

奈都がどうして父親の実家を嫌がるのか、もったいつけてもったいつけて、結局よく分からなかったし、そもそも出だしの奈都が憂鬱なわけも、これもまたもったつけて、要はあんなに大きなお屋敷に一人っきりっていうのが嫌なんだろうけど、そのわりに大げさな展開。
謎の美少女、さゆりもそう。奈都のクラスメートの祐太が、なにやらさゆりのこと、とんでもないことするお姉ちゃんって言ってたけど、これも読者にすっごい想像力と期待をさせるだけさせて、でもそれほどでもないような・・・。

あそこまでもったいつけると、逆に反感買ってしまうので、盛り上げはそこそこの方がいいんじゃないかな、と思ってしまった。
とはいえ、終盤は、やっぱり成風堂の作者だけあって、雪子おばさんの出生の秘密、屋根裏にはなにがあるのか、奈都が信じていた周囲の人間の正体は???とそこは面白かった。

ただ、やっぱりさ。書き手としては引っ張って引っ張って読み手を離すもんか、という気持ちは分かるけど、あまり引っ張りすぎるのもどうかと、その辺大崎氏に分かって欲しい。
うちならぬいぐるみ、5年も取ってないで捨ててしまってるな。



posted by じゃじゃまま at 22:21| Comment(11) | TrackBack(8) | その他 あ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月26日

シャーロック・ホームズと賢者の石 五十嵐貴久著。

シャーロック・ホームズってもちろん知ってるけど、そういえば、だからといってなにか読んだ記憶はないな〜。
すっごい昔「ヤング・シャーロック」って映画を見たけど、いろんな小説や映画のシーンに「かの有名なシャーロック・ホームズなら」とかそんなセリフで聞いたくらいかな。

なので、ドイルが作者で、それ以外にもパスティーシュでいろんな作家が書いてるなんて初めて知った。っつうか、パスティーシュってなんぞや?の世界で、調べてみたけど、その感覚がイマイチ分からない。著作権とか騒がないの?まだ著作権とかない時代だったのか?

要するに、たとえば私の好きな大沢在昌氏の新宿鮫シリーズを、たとえば宮部みゆき氏が鮫島と晶をモデルに書いちゃう、みたいな感じ?
好きな作家が書いてくれれば微妙ながらも嬉しいけど、そうじゃなかった場合、すごく嫌だよね〜、空気が変わっちゃって。

とかそんなことを考えてしまった。
とはいえ、シャーロック・ホームズ、本家本元を読んでないし、正直よく分かりませんでした。
他の予約本が来てしまったこともあり、最後まで読めないままになってしまい、他のブログを覗いていたら、どうも私が読めなかった作品が面白かったらしい。古典の分からない奴と、諦めましょう。
posted by じゃじゃまま at 22:39| Comment(6) | TrackBack(5) | その他 あ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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