2015年08月17日

透明カメレオン 道尾秀介著。

《★★★》

ラジオのパーソナリティの恭太郎は、冴えない容姿と“特殊”な声の持ち主。今夜も、いきつけのバー「if」で仲間たちと過ごすだけの毎日を、楽しくて面白おかしい話につくり変えてリスナーに届ける。恭太郎が「if」で不審な音を耳にしたある雨の日、びしょ濡れの美女が店に迷い込んできた。ひょんなことから彼女の企てた殺害計画に参加することになる彼らだが―。陽気な物語に隠された、優しい嘘。驚きと感動のラストが心ふるわす―。
(「BOOK」データベースより)

びしょ濡れの美女、三梶恵に、バーの常連たちが振り回される様子は、ちょっとイライラしたな〜。
そんなの言うこときかなくたっていいのに、って。ま、それがないとお話にならないんだけど、でも恵の提案はどれもこれも現実的にはあり得ない作戦で、小説だからな〜って域。

ただ、最後に恭太郎が明かした真実は衝撃だった。そこだけを読むためにだらだらと恵の作戦の話に付き合ってた、っていうのが私の読後感想。

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2014年11月12日

獏の檻 道尾秀介著。

《★★★》

あの女が、私の目の前で死んだ。かつて父親が犯した殺人に関わり、行方不明だった女が、今になってなぜ…真相を求めて信州の寒村を訪ねた私を次々に襲う異様な出来事。果たして、誰が誰を殺したのか?薬物、写真、昆虫、地下水路など多彩な道具立てを駆使したトリックで驚愕の世界に誘う、待望の超本格ミステリー! (「BOOK」データベースより)

暗い、重いじめじめした空気の中を歩き進んでいるような感じだった。

トリックを駆使しした、って言われても、そのトリック自体に気付かなかったかも。
父親の秘密と、それを見てしまい心に傷を追った元少年。暗い村を想像してしまう。

途中の暗い話は長いし、途中どうでもいいと思ってしまったけど、真犯人にはびっくりした。
勘違いが勘違いを呼び、その連鎖だったね〜。

長かった〜。


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2014年06月19日

鏡の花 道尾秀介著。

《★★★★》

製鏡所の娘が願う亡き人との再会。少年が抱える切ない空想。姉弟の哀しみを知る月の兎。曼珠沙華が語る夫の過去。少女が見る奇妙なサソリの夢。老夫婦に届いた絵葉書の謎。ほんの小さな行為で、世界は変わってしまった。それでも―。六つの世界が呼応し合い、眩しく美しい光を放つ。まだ誰も見たことのない群像劇。
(「BOOK」データベースより)

「やさしい風の道」 ・・・ 嘘の物語を作るのが好きな少年。姉と二人で、昔家族が住んでいた家を訪ねる。もしかして自分は生まれてくる予定じゃなかったのではないか、その不安を確かめるために。
妻に先立たれた老人、瀬下が今は住んでいて、少年が母親のお腹にいた時に、姉であった赤ん坊が二階から転落死したことを、私たちは聞かされる。失ってしまった娘への想いは、残された弟を追い詰めてるのだろうか。

「きえない花の声」 ・・・ この章では、前の章で出てきた瀬下という老人が、川に落ちて死んでいて、残された妻と息子が、かつて家族で住んでいた海辺の町へやって来る。
妻は、ずっと夫の浮気を疑っていて、夫はあの女に会いに行った日に川に転落して死んだのでは、と思っていた。
何十年も経ったこの旅で、泊った旅館の仲居が、かつての夫の同僚の娘であることを知り、母親は、妻がずっと疑っていた夫の浮気相手だと知る。そして、浮気だと思っていたことの真相を知った時、なんとも残念な思いと温かな思いがあった。残念というのは、もちろん、生きていれば、っていうことだけど。

「たゆたう海の月」 ・・・ ここでは瀬下夫妻の息子、俊樹が死んでしまう。
夫妻は元気に暮らしているが、社会人になり、転勤してしまった息子から送られてきたハガキ。メールで返信を打つが息子からはない。そして俊樹が崖から転落死したとの連絡が入る。夫妻は、息子が最後に行った場所へ向かう。

「つめたい夏の針」 ・・・ 第一章では姉の翔子が死に、弟の章也が生きていたけど、ここでは章也が死に、姉が生きている。
章也は小学2年のときに交通事故で死んでしまう。それから翔子は高校生になり、生きていれば中学2年になる弟と同じである直弥と、夏のオリオンを見に、夏休み、内緒の旅をする。
翔子の心には、あの日、自分がもう少し違う行動をしていれば、章也は事故に遭わなかったかもしれない、とその後悔がずっとある。

「かけそき星の影」 ・・・ ここでは、直弥と真絵美の両親が死んでしまっている。蚊取り線香の火が洗濯物に移り、直弥の目の前で両親が燃えてしまった。
その原因をずっと自分のせいだと思っていた直弥と、姉の真絵美がずっと隠していた真実。

「鏡の花」 ・・・ 鏡作りと民宿をしている美代の家。美代には火傷があり、そのことを詫びながら死んでいった祖父がいる。本当はおじいちゃんのせいじゃないのに、それが言えなかった美代。
その民宿に、今までの主人公たちが全員生きて登場し、出会う。

当初は、読むたびに生きている人と死んでいる人が違って、その世界観に戸惑ったけど、道尾作品であること、そしてタイトルを考えた時、鏡に映ったもののように、向こう側には違う世界、物語があるのかもしれないと気付き、そうやって読むと、すんなりと受け入れることができた。

それでもやはり「鏡の花」が一番好きだ。自分のことを責めながら死んでしまったおじいちゃん。そんなおじいちゃんを想う孫の美代。
おじいちゃんに会うために、本当は信じてたわけじゃないけど、そんな自分でいたくて、章也の作った物語を信じたくて、夜抜け出す美代。
そんな美代を心配してみんなが探してくれた。火傷のある方も、ない方も、同じようになでてくれる母の手の温かさ。

何度も泣いてしまった。

左右対称の自分じゃない、本当の自分を見たくて「トゥルー・ミラー」が欲しくなった。


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2014年01月13日

ノエル〜a story of stories 道尾秀介著。

《★★》


同級生のいじめや家庭内に抱えた問題から物語を一緒に作っていく少年少女。もうすぐ妹が生まれる少女は、雛段飾りの中に隠れているとき、思わず聞いてしまった病気の祖母への両親の会話に不信感を抱く。最愛の妻を亡くし生きがいを見失ってしまった元教師。

三つの物語がどこか繋がっているチェーン・ストーリー。

正直、私が好きだったのは第一章の「光の箱」ですね。

貧しいことをからかわれ、ずっといじめられていた少年と、その少年をまっすぐに見つめる少女。
二人が共同で物語を作って、互いに必要な存在になって行くのに、なにやら高校の時に起きた事件がきっかけで会わなくなっているらしいと、冒頭で分かる。
なぜなら、童話作家になった圭介が、高校の同窓会に行くところから物語が始まって、「弥生は来るだろうか。あの事件以来・・・」ってなってるから。

読み進めていくと、二人の恋に思わぬ邪魔者がいて、弥生がその恋のライバルになにか悪事を働いて、それがばれて二人は離れて行った、と思わせられる。これが道尾マジックなんだよね〜。
すっかりやられた。
二転三転、転がされた。

しかも途中で出てくる、圭介の方のライバルの名前にもしてやられて。
てっきり、弥生はライバルの男に取られたのかと思うよね。

でもとってもファンタジーなハッピーエンドで、「光の箱」はすごく好き。

それに比べて、続く二編は、ちょっと分かりづらくて、タイトルの通り、ファンタジー色も強いのだけど正直、どうでもいいかな〜と思いながら読んでしまった。
なので★は、第一章のみの数。

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2013年12月19日

笑うハーレキン 道尾秀介著。

《★★★》


すべてを失った男、東口。子供を失い、妻も出て行き、ホームレス仲間とスクラップ置き場で暮らしている。
仕事は家具の修理屋。そして、彼には常につきまとっているモノがいる。
「疫病神」いつも突然現れ、東口の心に問いかける。

ある日、東口に弟子入りしたいという女性が現れ、押しかけ弟子として居着いてしまう。
ジジタキさん、チュウさん、トキコさん夫婦、モクさん、そして押しかけ弟子の奈々恵。

ホームレスの生活をしていながらも、心のどこかで自分はそこまでじゃない、彼らとは違う、これは違う自分の生活だ、とそう思っていたい東口の気持ちがなぜだか分り、苦しかった。
暖かい部屋と温かい食事、柔らかい布団、お風呂に入り、そんな生活しか知らなくて、だけど、人生どこで足を踏み外したり、転げ落ちるか分からなくて、その一線を想像すると怖くなる。

物語は、モクさんが飼っていた犬が毒殺され、やっと大きく動いたかと思ったら、まだだった。
ジジタキさんの自殺、東口の妻を奪った男の前での自殺未遂、ここでようやくって感じだったよ。

道尾氏らしく、徐々に剥がされる東口の過去。実は仕事に忙殺されて、妻や子供を顧みなかったこと。子供の事故死と妻の不貞。
奈々恵の秘密。ふと見せる本当の素顔。ハーレキンって道化師のことだったのか。
しかも道化師に涙のマーク入れるとピエロ。道化師とピエロの違いなんて知らなくて、ピエロの日本語が道化師くらいに思ってた。

辛い過去を背負いながら、今の生活は仮、本当の自分は他にいる、ってそう思いたくて、仮面をかぶっているようなもの。合点のいったタイトルだった。

東口に舞い込んだ大口の仕事。これがとんでもなくやばいものだった。いや、奈々恵さえいなければ生きて戻れるはずだった。
拉致同然で連れて行かれたある邸宅で、舞台劇のようにゾロゾロとチュウさん、トキコさん、モクさん、奈々恵までついてきての大仕事。
絶対ヤクザの親分で、奈々恵の親が警察官僚ってことが明らかになってしまい、生きて戻してくれるはずが、殺されることに!!!
盗み聞きしてしまったからさあ大変!!

どうやってこの屋敷から出るか。絶対ばれるって。道尾小説だから、なにかどんでん返しはあるだろうとは思ってたけど、やはり親分の手下のスカがいい味出してた。

東口の作業を手伝いながら、東口とスカには見えない絆が生まれてたもんね。間一髪で逃げ出した5人。
ドキドキしちゃって、本当に興奮した。
終盤に盛り上がったね。

結局スクラップ置き場からは追い出されて、どっかに小屋を建てたらしいけど、あの親分からもらったお金でアパート暮らしすればいいのに、って心から思った。
いつか東口家具店を、モクさん、チュウさん、トキコさん、そして奈々恵でできればいい。

一人の男の再生物語として読んで欲しかったのか、私にはあの親分の屋敷からの脱出劇が妙に印象的で再生物語より、最後の最後でアドベンチャーになってしまった。

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2013年03月07日

光 道尾秀介著。

《★★★》


小学4年生の主人公の利一と、親友慎司とその姉。貧乏で祖母と二人暮らしの清孝。清孝を同情めいた蔑みで、ちょっと小ばかにしている宏樹。
町に住みついている野良犬殺しの濡れ衣を着せられた清孝と、着せている宏樹。
その事件がきっかけで利一と清孝の間には信頼にも似た友情が芽生え、子供特有のあまりこだわりのない交友関係で、利一と慎司、利一と清孝、そしてそこに宏樹が加わり、慎司の姉の悦子も含め、彼らはその町で子供時代を過ごす。

そんな彼らの冒険と成長物語、といった感じでしょうか。

アンモナイトをもらった清孝に、負け惜しみの言葉をぶつける宏樹。みんなで偽物のアンモナイトを作って宏樹に仕返ししようという慎司の発想も、損得なしの子供ながらの素直さが懐かしい。
洞窟探検も、あの生首は爆笑してしまったけど、毎日が小さな冒険と探検の繰り返しだった日々を思い出した。

道尾作品だから、どこかになにかあるかなと思ったけど、このまま懐かしい思い出話で終わっちゃうのかなと思ったら、劉生が現れたときから、きな臭くなってきて。
なんにも事件がないんじゃ物足りないからね。
とはいえ、やっぱり物足りなさは拭えないけど、清孝と祖母の話はつ〜んときた。

なんとなく【スタンド・バイ・ミー】を想像しちゃった。


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2012年08月30日

水の柩 道尾秀介著。

《★★★》


ある観光地。次々と旅館が経営難になっていくその町で、老舗旅館の息子、逸夫の母のいくと、そして同級生、敦子はある秘密を抱えて生きている。
いくが隠したい過去、その秘密に気付いてしまった逸夫。同級生の敦子が変えたい過去とすべてを知った逸夫、三人の《生きる》物語。
逸夫は二人の悲しい過去を、葬るためか、生まれ変わるためか、かつて祖母が苦しい生活をして、悲しい思い出しかないあの村へ、ダムの底に沈んでしまった村へと向かう。
三人が投げ込んだ<人形>は、彼らの思いを胸に水の底へと沈んでいく。

道尾氏の伏線などまったく気にせず、物語に没頭した。まるで敦子が亡き者のような思わせぶりな書き方には若干ムッとしたけど、なかなか重いテーマだったように思う。
ずっといじめられ続けてきた敦子。タイムカプセルにはいじめた人たちへの恨み言を書き綴ったが、自殺した後彼女たちに殺されたことになるのが嫌で、手紙を入れ替えることを思いつく。
そこにはまるでいじめなどなかったようなことを書けば、それがそのまま自分の過去になる。
嘘は、ついているうちに、だんだんどそれが本当にことになってしまう、そう言ったのは祖母のいく。

いくは裕福な家に生まれ、贅沢な家に嫌気がさし普通の生活がしたくて家を飛び出してきた。仲居として働くうちに祖父に見初められ女将となった。あれやこれやと口うるさいいくだったが、ある日旅館の宿泊客によって仮面が剥がれてしまう。
貧しい生まれで、父と唯一の友達のお母さんとの間の大人の事情により、悲しい事件が起こってしまう。幼馴染みの死、父の死、すべてを失った祖母が生きていくためについた嘘。

死ぬための嘘と生きていくための嘘。

最近の道尾氏はこんな感じが多いかな。

いくがずっと嘘をついていて、だんだんとそれが本当のようになってしまう、っていうのはそうなのかな。やっぱりどんなに嘘をつこうが、思い込もうとしても苦しいような気がするけど。
ただ時が経つにつれ、そんな気になってしまうってことはあるけど。それでもやっぱり過去は変えられないな、私には。

すべてを息子や孫の逸夫に打ち明けて、重荷をやっと下ろしたいくが呆けてしまうのはある意味高齢だもん、仕方ないよね。でもずっと気負って生きてきたのかな、と思うと素直に可哀想だと思う。

タイトルが、本当にうまい。

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2011年11月04日

カササギたちの四季 道尾秀介著。

≪★★≫

赤字続きのリサイクルショップを経営する華沙々木と、その手伝いをしている副店長、日暮。
いつもいつもお寺の和尚に、不要な道具を高値で買取させられる駄目な日暮だが、行った先々で遭遇する小さな小さな出来事や事件を探偵気分で的外れな解決する華沙々木を、いつもそっと尻拭いしている日暮でもある。

推理は有能なのにね〜。

一年前の秋、不幸の底にいた少女、菜美の笑顔を守るために、<僕>日暮は、今日も華沙々木の的外れな推理を援護する。

「ブロンズ像放火未遂事件」には、大人の欲望が隠されていたし、そんな事件によくも遭遇するもんだと、ま、小説だからね。
「神木破壊事件」は、人の気持ちの変化で、正直、修行が辛ければそんな演出しなくても、さっさと辞めればいいのにな〜って。
「マルちゃんヤケ食い事件」は、さすがにどうなの、やりすぎ?展開で、さっさと読み終えました。

最後の和尚の蜜柑騙し事件と、貯金箱割った事件は、強欲和尚と息子の絆にじ〜んときて、強欲和尚が、強欲なだけじゃなかった!って安心した。これが一番よかったかな。



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2011年04月03日

月と蟹 道尾秀介著。

≪★★≫

「ヤドカミ様に、お願いしてみようか」「叶えてくれると思うで。何でも。」やり場のない心を抱えた子供たちが始めた、ヤドカリを神様に見立てるささやかな儀式。やがてねじれた祈りは、大人たちに、少年たち自身に、不穏なハサミを振り上げるーやさしくも哀しい祈りが胸を衝く、俊英の最新長編小説。(「BOOK」データベースより)

直木賞ってこういうの好きな気がする。
よく分からないけど、なんとなく。いつもの道尾氏とは違った、伏線もなし、殺人事件もなし、それぞれに、闇を抱えた少年たちの、それでも毎日生きていくって物語。
ダークで重い。
父を亡くし、母と祖父と暮らす慎一。祖父の老いを感じ、母の背中に女を感じ、クラスからは弾かれ友人は春也だけ。心の中に憎悪を育て、それを祖父は感じ取り危惧する。
父の仕事がうまくいかず、そのたびに虐待を受けている春也。慎一と二人でヤドカリを火であぶりだす行為にのみ慎一との友情を感じていられる。春也の、一人にしないでくれ、という叫びが聞こえてくるようで、春也の心の中にも嫉妬が育つ。
鳴海の母は、慎一の祖父との事故により亡くなる。その慎一と同じクラスになり、穏やかではいられない。母を失い、父までもが慎一の母と付き合っているのではないか、と大人になりきれない少女は心を痛める。

そんな三人が放課後、山でヤドカリを神様に見立て儀式を行うけど、なんだか嫌な気持ちにさせられる。
自分だって子供の頃、他愛もなく生きもので遊んだこともある。だけど、そこに込められた願いが子供ながらに、子供以上の憎悪があるように思えて、鬱々としてしまう。
でもそれは大人になったから思うことであって、そこに必死で願いを込める、込められる、それはやはり彼らがまだ子供だからだろうか。

慎一に嫌がらせの手紙を出していた春也。春也の孤独がいじらしい。慎一の願いを叶えるためにナイフを振り上げる春也だけど、三人の中で一番子供らしかったんじゃないだろうか。
車の中で見た、ハサミを振り上げる影、慎一の見間違いだとしても、怖い。
鏡の中で慎一が見た、もう一人の自分も、怖かった。そんな慎一の心に気付いた祖父は、さすがだな、って思う反面、そんな昭三が悲しい。

終章で、慎一と母が福島へ行くことになったとき、そこだけに救いを感じることができた。
傷ついた心を寄せ合っているようで、実はえぐりあってる彼らは、きっと離れて暮らす方が幸せになれるんだと思う。

あ、結構読み終わってじっくり考えてみると、ひねりも伏線もないけど、なかなかの手ごたえ作品なのかもしれない。あまり好みのタイプではないけど。
実際読むのに時間かかったし。


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2010年09月28日

光媒の花 道尾秀介著。

≪★★★☆≫

畏れながら隠し持つ過去の罪、それでも生きていかなければならない人間の悲しさ、強さ。
残酷な物語に慄きながらも、他の章でしっかり生きている姿を垣間見れて、なかなかの読後感のよい物語でした。

「隠れ鬼」 認知症の母を支えながら、父の遺した店で細々と生活している母と息子。父は30年前に自殺していたが、それぞれが秘密を抱えていた。息子は父の秘密に気付き、父は息子の秘密に気付いていた。そして、母は誰の秘密を見ていたか・・・。

「虫送り」 小学生の兄妹が虫取りをしていた河原で、ホームレスの男性が死んだ。その兄妹がホームレスの死に大きく関わっていたことを、対岸にいた誰かが見ていた。そしてその誰かも大きな秘密を抱えていた。

「冬の蝶」 昆虫博士になりたかった男性は、ホームレスに手をかけてしまった。そしてその男性は中学時代、好きだった少女を救えなかった過去を持つ。だからこそ、ホームレスに手をかけてしまったのか?

「春の蝶」 隣室の耳の聞こえない孫と老人の住む部屋に泥棒が入った。哀しい現実から逃げるように耳を閉ざす少女に、自分の辛かった少女時代を重ね、かつての同級生に蝶の話をしてくれた少年がいたことを思い出す。

「風媒花」 父を病で亡くした寂しさを、母のせいにしながら生きてきた青年。そんな弟と母の不仲に心を痛ませている姉。その姉が入院した。畏れていた死が再び寄って来る。
姉に甘えてきた青年。風が花粉を運ぶ花のように、姉が家族を繋いでくれる。

「遠い光」 退院し、教室に戻った教師。そのクラスに再婚により名字の変わる女子生徒がいた。女子生徒の抱える寂しさに、自分の非力さを悟る女教師だが、その寂しさやその姿が、女教師や認知症の母を抱えながらも生きる男性を救っていく。

あの河原の兄妹のお兄ちゃんの登場も、心が軽くなる一瞬だった。

サチは、養父をどうしたのだろう?
残酷に見えながらも、一筋の光が差し込んでいて、救いの物語だった。



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2010年05月07日

球体の蛇 道尾秀介著。

≪★★★≫
16年前の出来事を思い出しながら、葬儀のためにかつての町へ向かう。

母が家を出て、父とは親子の絆を感じないまま、隣家で下宿人になっている友彦。
白蟻駆除の会社をたった一人で経営している乙太郎小父の手伝いをしながら、二つ年下の幼なじみのナオと三人で暮らしている。
かつてこの家にはナオの姉サヨと、乙太郎の妻であり姉妹の母である逸子さんもいた。

16年前のある出会い、それは乙太郎一家の運命を変えた女性、友彦に罪を背負わせた智子との出会い。
乙太郎、友彦、智子の運命はすでに絡み合っていた。

嘘と誤解の連鎖で、よくもまあ、ここまで絡み合ったもんだ。

ラストでナオが友彦を救おうとしてついた嘘が分かった時、そこにいるはずのない女性がいた時、暗くて重い人生だらけだった物語にすっと救いの光が射した。

物語ではサヨは思い出のみだったけど、なんであんなに残酷な少女なんだろうね。もしもサヨがずっと生きていたら、さぞかし悲惨な話になってただろうね。

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2010年01月16日

花と流れ星 道尾秀介著。

≪★★★≫
ホラー作家道尾と、その友人で霊現象探求所の所長である真備、助手の北見凛の真備シリーズの第3弾。短編集ですね。

「流れ星のつくり方」 両親が惨殺された家に、なにも知らずに帰宅した少年。どうやって犯人は逃げたと思う?そう問われた凛。
その真相は、もの悲しすぎる。

ただ、凛の存在は見えてるのに、目が悪いの?そこが分からなかった。

「モルグ街の奇術」 バーで飲んでいた真備と道尾の前に、一人のマジシャンが現れる。そして二人にある挑戦をする。もしもトリックを見破れなければ、右手を消すと言う。

「オディ&デコ」 小学4年生の少女が、真備の事務所に相談にやって来た。捨て猫を殺してしまい、その霊が携帯に映っていると。
その真相と、少女たちのこれからの友情には救いがあったと思いたい。

「箱の中の隼」 新興宗教の教団本部に、なりゆきで真備になりすまして見学に行くことになった道尾。
その夜、教団本部で起きた事件。真備を連れてきた教団幹部の真意とは?

「花と水」 不注意から孫を死なせてしまった老人。孫を失い深い悲しみの中、息子や嫁に責められ、老人には償い方すら分からない。
老人が感じる理不尽さゆえの決断。

私は、「花と水」の老人の深い悲しみと、「流れ星のつくり方」の少年の深い後悔、全然ハッピーじゃないけど、印象的だった。

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2009年10月12日

龍神の雨 道尾秀介著。

≪★★★≫
誰かを恨みながら死んでいくと、龍になるんだ。
母を海の事故で亡くした兄弟。その母は龍になったのか。龍は雨を降らせる。
あの日、雨さえ降らなければ・・・。
母を交通事故で亡くした兄妹。あの日、雨が降らなければ、母は事故には遭わなかった。
あの日、雨さえ降らなければ、継父を殺そうとは思わなかった。
妹は無事だった。

読み終えてみると、すごく考えてしまう物語だった。

結局、辰也と圭介の母を奪ったのはなんだったのか。父なのか、里江なのか。
母は恨みながら死んでいったのだろうか。その龍が雨を降らせて、蓮と楓の人生を狂わせたのか。

なんと物悲しい話だろうか。

道尾作品なので、どの文章もなにか意味があるんじゃないかと、準備しながら読んだせいか、やっぱりあの男はなにかあると思っていたよ。
それにしても、辰也と圭介の母の事故は、藤姫は恋人を恨みながら死んでいったのだろうか。
蓮と楓の継父の真実、やっぱり道尾氏にはやられたよ。

posted by じゃじゃまま at 21:34| ☔| Comment(10) | TrackBack(4) | 道尾秀介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月01日

骸の爪 道尾秀介著。

≪★★≫
作家道尾は親戚の披露宴の後、手違いからホテルが見つからず、元々取材予定であった仏像の工房・瑞祥房に泊めてもらうことになった。
そこで道尾が見たものは、笑う仏像と頭から血を流す仏像。
そして仏師が一人、また一人と行方不明になり、「マリ」という声を聞いた道尾。
霊現象を探求している真備と共に、松月の妹の名前が「茉莉」であることを知り、20年前茉莉と弟子の韮澤がいなくなった事件と、今回の怪現象を調べ始める。

やっぱり、著者の道尾と作中の道尾、ややこしいよね。できれば名前は変えて欲しかった。「背の眼」の時も違和感があったし。
切ない真相なんだけど、仏像の話が多かったのか、すごく時間がかかった。
ラストで、犯人は復讐を遂げられたのか、邪魔されたのか、一番のクライマックスで、描写が分かりづらくて、私、3回も読み直したからね。
読解力の問題かもしれないけど、それにしても、人間の嫉妬心とは怖いもんだ。
仏像を彫る人間でも、煩悩は捨てきれず、愛する人を失った20年前の事件の真相は、なんでこう悲しいかな。

こんな切ない余韻を残す物語、2時間ドラマ似合いそう。特に土曜の夜に。

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2009年06月05日

鬼の跫音 道尾秀介著。

≪★★★☆≫
そっと不気味さが近寄ってくる感じ。
「鈴虫」 Sの死体を埋めた。11年後、男が刑事に取調べを受けている。Sの大学時代の友人で、男の妻はSの元恋人。そう来たか。

「ケモノ」 家族の中で駄目人間な僕が、偶然、刑務所作業製品の椅子の裏にあるメッセージを見つけた。引き寄せられるように、43年前Sという男が引き起こしたある事件を調べ始める。
いや〜、これが一番、やられた!なんともいえないやり切れなさが残る。

「よいぎつね」 20年以上も前、高校時代、祭りの夜。友人Sたちにそそのかされ、越えてはならない一線を越えてしまった男が、20年後、同じ祭りの夜に見たものは・・・。

「箱詰めの文字」 作家としてデビューした男の秘密。友人Sの作品を盗作してしまった。Sの弟と名乗る青年がやって来る。嫌な気持ちになるどんでん返し。

「冬の鬼」 私とSの、壊れていない愛。古典の匂いがした。ちょっと悲しくなるよね。

「悪意の顔」 Sに執拗に嫌がらせをされる少年。そんな時、なんでもキャンバスに閉じ込めるという近所では変わり者の女性と出会う。
これ、ラストかなり不気味で、ドギマギしてしまった。本当にSの悪い心が閉じ込められたのだろうか。それとも作り話?
怖かったよ〜〜〜。

でもワールドとしては、恒川氏みたいで、一瞬錯覚してしまった。
嫌いじゃない不気味さ。

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2009年04月07日

背の眼 道尾秀介著。

≪★★★☆≫
あまりにもリアルに怖かった、怖すぎ!でも、あまりにも文章が長すぎたのでちょっと減点で、★四つか三つでせめぎ合いの結果、間を取りました。
白峠村にちょっとした休暇にやって来た私=道尾。その村で、4人の子どもが行方不明になっているという話を聞く。
そして、私の耳に聞こえる不思議な声。
レエ、オグロアラダ、ロゴ・・・。
この後私は恐ろしい体験をして東京に逃げるように帰る。
大学時代の友人、真備が学生時代から怪奇現象の解明が趣味だったことを思いだし訪ねる。
偶然にも真備の元へ白峠村近辺で撮られた、心霊写真とその後の自殺の相談が持ちかけられていて、私と真備とアシスタントの北見は真相を求め、再び白峠村へと向かう。

なにが怖いって?
レエ、オグロアラダ、ロゴ・・・この言葉の意味が分かった瞬間、背中がゾッとして、毛穴が開いてキュ〜と変な汗が出てきた。
白峠村に伝わる悲しい天狗の伝説。首だけで発見された少年と、その場にじっと佇む祖父の物悲しさ。
悲しくて、怖くて、とにかく夢中になった。

ただ、夢中でもっともっと読みたいのに、長いんだよ、これが。
回りくどいというのか、なんだろう?読んでみれば、無駄のないエピソードなのに、読んでる時はとにかく長い。説明が多いのかな。
ミスター伏線の影はまったくなく、これがデビュー作なんだよね。
すごいと思うよ、矛盾もないし、本当に怖かったし。

でも、長っ!
本にカバーをつけてるんだけど、外した瞬間、もしも表紙に眼が写ってたら、私は多分トイレに行けなかったはず。よかった、読んだのが文庫じゃなくて。



posted by じゃじゃまま at 22:23| ☔| Comment(2) | TrackBack(1) | 道尾秀介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月06日

カラスの親指 道尾秀介著。

≪★★★≫
ヤミ金で家族を失った男が二人。かつて一人の女性を自殺に追い込み、自分の娘も奪われた男、武沢。
自身のせいで妻を自殺に追い込んでしまった男、テツ。
コンビで詐欺師として生計を立てている二人の元に、武沢が自殺に追い込んだ女性の遺した姉妹とボーイフレンドが転がり込んでくる。

5人の奇妙な共同生活。
この出会いは偶然か、必然か。

かなり内容にハマったんだろうな。また私は掟破りをしてしまった!
あまりにも引き込まれて、先が知りたくて、チラッとラスト読んじゃった!

道尾氏らしいミスリード、ミスター伏線の影は今回薄かった!?
それとも私がまったく気付かなかっただけ?(いや、ラストチラっと読んじゃった私には言えた義理じゃないけど)
読んでる間、一瞬道尾氏を忘れて、他の作家さん読んでるかと錯覚してしまった。

普通に、ミステリ味の人と人のお話って感じで、今までより好きかも。随分と人件費をかけたでかい仕掛けだったけど、個人的に、テツさんと娘たちを再会させてあげたかった。

親指の話はよかったね。子供には両親揃ってた方がいいってこと。なるほど!って妙に説得力があった。
指と指、くっつか試してみたのって私だけじゃないよね。

ただ一つ納得いってないのは、武沢のアパートから火が出て、その後ラーメン屋で劇団のチラシがあったんだよね。あの計画は、どういう順番だったんだろ?


posted by じゃじゃまま at 21:21| ☁| Comment(10) | TrackBack(6) | 道尾秀介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月31日

ラットマン 道尾秀介著。

≪★★★≫

ミスター伏線なので、裏を考えながら読んでたんだけど、だんだんそんなこと考えるのも面倒になったのでそのまま読んだ。
確かに、人間ってそう思い込んで物事を見ると、そうとしか思えないもんだよね。
それがテーマっすね、今回。
たくさんの思い込みがあって、そう思ってるから、そうとしか見えない、そんなのばっか。
でも、結局、自分がなにをどう騙されたのか、騙されてたことを騙された自覚なしに読んでた気配がプンプン。

あ、そうそう。23年前のお姉さんの事故死。あれはどんでん返しのさらに大どんでん返し??私、てっきり・・・変な想像してたんだけど、きっと私だけ・・・だろうな〜。
なんかなにをどう書いてもネタバレになりそうなので、これ以上書きようがないんだけど、伏線を気にせず、騙されてもいいんだ、くらいで読むことにした。
本当は、エレベーターの事故の話がそのまま物語になるのかと、少し楽しみだったんだけど。冒頭読んだだけで、結構好きな展開になりそうなミステリーだったから。
posted by じゃじゃまま at 16:46| 🌁| Comment(6) | TrackBack(5) | 道尾秀介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月10日

ソロモンの犬 道尾秀介著。

≪★★★≫
うん、こういう騙され方ならいつでもカモン。OKかも。
でも、このやり口ならいくらでもどうとでも話作れるっちゅうか、ちょいずるい気もするけど。

ただ今まで、ミスター伏線として読み手を騙すこと、ミスリードすることに力注いでたって感のある道尾氏にしては、ちょっと素直に感じてしまった。
登場人物も、大学生4人組。ある日、大学の助教授の息子が犬に引っ張られて道路に飛び出し死んでしまった。
その死の原因はなんだったのか?なぜ犬は飛び出したのか。
謎を解くため、秋内は鏡子の同僚である動物生態学に詳しい助教授、間宮に相談する。

もちろんうっすい伏線はたくさんあるんだけど、普通の大学生たちなので、素直に入っていけた。彼らが「この中に殺人者はいるのか」って会話をしていく展開は、なんとなく恩田作品を思い出してしまった。

でも思い切りあっちこっち振り回された気がしなくて、オチは、ああ、そうですかい、って感じでやっぱりやられちゃったけど、爽やかささえ感じてしまった。
こういう騙され方なら、別にいいね。
posted by じゃじゃまま at 22:19| Comment(11) | TrackBack(10) | 道尾秀介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月22日

片眼の猿 道尾秀介著。

ほぉほぉほぉ〜。ミスター伏線ですね。あらゆるところに思わせぶりな文章が散りばめられてて、腹の探り合い。
どこかにヒントがあるはず、これはひっかけ?とそんなことばっか考えて読んでいたので、ちょっと疲れました。
でも、ちょいとやられたかも。

彼らの本当の姿には、えっ!?って驚かされました。

盗聴屋の三梨が巻き込まれる事件そのものは別にあっ、そういうこと、って感じだけど、三梨の周辺の人間模様の方が重要。
そこに読者を驚かせる要素が詰まっていて、それこそが今回の中心だったのかも。

トランプの意味も、なんだかややこしくて、いちいち覚えてられなかった。とほほ。
posted by じゃじゃまま at 10:47| Comment(15) | TrackBack(9) | 道尾秀介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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