2015年06月23日

明日の子供たち 有川浩著。

《★★★★》

早く読めばよかった。
レビューで、登場人物の女性に共感できない、とか児童施設ってワード出てたので、暗いのかな、共感できないって嫌な子が出てくるのかな、ってなかなか開けなかった。
ところが、読み始めたら、そんな危惧なんて吹っ飛んだ。
女性陣に対する警戒心も、すっかり忘れてしまうくらいすんなり入っていけたし、のめり込んだ。

児童養護施設「あしたの家」で暮らす子供たち、職員たちの物語。
新任の三田村は気持ちは熱く熱血なんだけど、勘違いしてたり、一言余計だったりと騒がしい。
比較的、施設内で聞き分けのいい部類の奏子に、実は内心拒否られていて、そのエピソードは、読者である私含め、気付かされた視点だった。
「かわいそう」そんな風に思わないで欲しい。それが全編通して伝わって来る。
そして、強いられた自立。そうだよね、高校に進学しなかったら施設は退所しなくてはいけなくて、自立しなくてはいけない。
どのみちいられるのは高校卒業までで、卒業後の生活は自分の手で築かなくてはいけない。
それがどれほど心細く大変か、大人である自分にはもうすでに分かってはいるけど、それを18歳で分からされる子供たちは、やっぱり普通の家に生まれた子よりは大変。

やらなきゃいけないんだから。甘える場所なんてないんだから。

猪俣先生が子供たちに進学を推奨しないその理由。それだけアッコちゃんのことを真剣に思っていたからなんだよね。そしてアッコちゃんとの奇跡の再会。その再会は、猪俣先生とアッコちゃんだけじゃなく、奏子の進学でぎくしゃくしていた久志との溝も埋めた。

和泉にほのかな恋心を抱き始めた三田村。その三田村の前にライバル現る。
それは和泉の高校時代の初恋の相手。和泉の恋の話は切なかったね。高校時代の彼、施設にいるという理由だけで成就しなかった。「住む世界が違う」と。
その彼が選んだ結婚相手は、和泉と寸分違わなかった。和泉は問う。自分があの時「そんなこと気にしないよ」ではなく「分かった」と答えていたら成就したのだろうか。
否、やっぱり駄目だったろう。彼女との違いは、出会ったタイミングだけ。

切ないよね〜。三田村じゃなんか頼りないし、しかも私の中では三田村はうざい。
猪俣先生も、梨田先生も、施設長も、みんなみんないい人。価値観は違っても、それぞれに子供たちを想う気持ちは十分。

全編通して、私たちが普段思いがちな施設への偏見、そこに暮らす子たちの本音が伝わって来て、エアポケットに落ちてしまってるテーマを、こんなに読みやすく問題提起できて、すごい小説だと思った。


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2015年05月06日

キャロリング 有川浩著。

《★★★★★》

幼い頃からの虐待で心に傷を追っている大和俊介。いつもそんな彼を見守ってくれた西山秀代のもとで働いていたが、主要取引先の連鎖倒産でクリスマスに廃業が決まってしまった。
元恋人の柊子、デザイナーのベンさん、一言多い東大出の朝倉さん。
残された日々を、社長以下四人の社員で向かう、クリスマス倒産までの思いもよらぬ事件の数々。

学童保育部門で預かっている航平が両親の離婚で心を痛めている。お父さんに戻って来て欲しいという願いから、別居中の父親の元へ母に内緒で通いつめていたら、思いもよらぬ誘拐事件に発展して、あちらもこちらもたくさんの別れや思いやりが溢れていて、泣いたりホロリとさせられたり、ページをめくる手と涙の止まらない感動作。

ベタ甘の有川氏なので、そう思って読み始めたら、冒頭からちょっと異変が?
大和が銃を突きつけられていて、絶体絶命の場面。
ところが一転して、物語はその以前からのスタートで。いつ、あの絶体絶命の場面にいくのか、ドキドキしながらも、大和と柊子がお互い好きなのに、どうしても触れて欲しくない、触れられない部分、父親からの虐待を思う時、子供の親への想いに胸が潰されそうだった。
航平は、あの日、お父さんとお母さんが喧嘩した日、自分が寝なければもしかしたら別居なんかしなかったのではないかと自分を責めている。
わたるという物語の少年に、自分の想いを乗せて書き続ける。
大人の事情なのに、子供は、もしあの時、って自分のせいにしてしまうんだな。

赤木ファイナンスの面々も、しょうもない人たちの集まりだったけど、最初から選択肢のない人生だった、という彼らにも、同情はしないけど、ヤクザの世界に身を置きながらもそれでも少しでも水面から顔を出そうとしてる辺り、頑張れ!!と言いたい。

虐待で心に傷を追った大和を、ずっと見守ってくれた秀代と亡き夫。両親の離婚で傷つきながらも受け止めた航平、優しすぎる柊子。
まさか、こんなに号泣するとは思わなかった。

しばらく忘れられない一作になりそうだ。



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2014年10月08日

コロボックル絵物語 有川浩著。

《★★★》

どうということもない短いお話。
だけど、子供のころ佐藤さとる氏の「コロボックル」シリーズに夢中になった者としては、久しぶりに、コロボックルの存在を信じてたあの頃に戻れて嬉しかった。

当時、佐藤さとる氏のコロボックルを読んだ子供たちは、絶対コロボックルを信じて探したね。
私は多少遅く、中学一年のころに読みました。読み始めた瞬間から、ドキドキワクワクして、もしかしたら本当にいるのかも???って確かに探した。

これは子供たちにも話してるし、本当にあったことなんだけど、でも、今では半信半疑の出来事。
そう、ちょうど佐藤さとる氏の「コロボックル」に夢中になっていたある晩。
さあ、もう寝ましょうとベッドに入りました。
そうしたら、ベッドの下から「ルルルルルルルルル・・・・」って音が。

それはまるで物語の通り、コロボックルの話し声みたい!!
それでも、まさかね〜、きっと虫に違いない、と。
でも明らかに声は部屋の中から。じゃ、虫が部屋の中かよ!?いつもなら虫嫌いの私は大騒ぎするところなんだけど、でも、虫ともちょっと違うような、っていうか、半分、コロボックルかも!って信じてたからね。

しかもしかも!ベッドの下あたりから聞こえてきて、探したんだ、コロボックル。
だけど、探して驚かしちゃいけないと思って、ゆっくりと「コロボックルさん、出ておいで。おやすみなさい」とかなんとか話しかけたんだよね。

あの当時、確かに私は信じてた。

そんな子供が全国に何人いただろう。きっと読んだ子供たちはみんな信じてたと思う。
その、信じてた自分のあのころがよみがえって来て、懐かしく読んだ。

そして、実は今でも私は、やっぱりコロボックルだったんじゃないかな〜?って信じてる自分に改めて気付いた。

有川氏が今後、どのように紡いでいくのか。待ってます。

posted by じゃじゃまま at 10:29| 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | 有川浩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月18日

レインツリーの国 有川浩著。

《★★★☆》


今更ながら読みました。
ちょっとずるして、あとがきから読んでしまったので、聴覚障害の女の子との恋愛話だってことを分かった上で、でも、先に知ってしまうと、逆にお涙ものかな、なんて構えてしまったんだけど・・・。
詰めが甘かった。つい、娘の習い事を待つ間マックで読んだら、涙出る出る。

人前なので、風邪気味を装って、鼻をぐすぐすしながら、目に溜まった涙は乾くまで大きく開いて・・・。

昔読んだ本の感想をネットで探すうちに見つけたサイト。
管理人とメールをやり取りするうちに気が合い、なんとか会うところまで漕ぎつけたけど。
会ってみたら、ちょっと間が合わなかったり、メールではポンポン言葉の応酬があったのに、ちょっとテンポずれてたり。
なんだかな〜って最後の最後に、きつい言葉を彼女に投げつけた瞬間、彼女の耳から見えた補聴器。

そこから健常者と聴覚障害者の、互いの主張、分かり合いたいのにどこかすれ違ってしまうやり取りが続く。
健常者の「気にしないで」は、障害者からすれば「自分たちに迷惑がかからない程度なら」の「気にしないで」だと。

どうしても互いの立場からの発言なので、思いやっているようで、押しつけがましかったり、一方的だったり。

ひとみは、障害を持っていなくても、きっと面倒くさい女の子だった、だから障害のせいじゃない。
なんかいいところに落ち着いたな、と思った。
伸が、ひとみのサイトに行きついたのも、一年前でも一年先でも駄目で、今だったから、それが運命だったんだな、と、なんだろう、どこであんなに泣いちゃったんだろう。

ひとみの言葉に、伸と同じように傷ついたりハッとしたり、一緒になって二人の恋愛を体験してた感じ。
今までは補聴器を隠すように髪を長くしていたひとみが、伸のアドバイスで、隠すのではなく、知ってもらうために短く切った、その前向きさがすごく嬉しかった。

ま、ちょっと青春菌には赤面しちゃったけど。そんなこと言う男性、恥ずかしい。



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2012年11月28日

ヒア・カムズ・ザ・サン 有川浩著。

《★★★》


七行のあらすじから舞台版と小説版の物語が作り上げられたという。
成井豊・・・と有川浩。成井豊といえば演劇集団キャラメルボックスだよね〜。「ヒア・カムズ・ザ・サン」はなるほど、これを舞台にしたのかな〜。
演劇集団キャラメルボックスがまだまだ小さい劇場で上演していた頃、よく床に座って観ていたな。

20年ぶりに父親と再会する女性。アメリカで成功しているという父だけど、モノが持つ記憶が見える真也にはその父親の本性やずっと秘めていた想いも分かってしまう。
二人の男性に大事に思われていたカオルなんだよね、ずっとカオル母子を支えていた榊と・・・。
真也とカオルの進展にはほのかな余韻を残して終わったのもグッドだった。

そしてもう一つの「ヒア・カムズ・ザ・サン/パラレル」はこっちの方が有川色が出てた気がする。
カオルと真也は恋人同士になってるし。
こっちはやっぱり20年ぶりに再会する父とカオルだけど、父親は本物。アメリカに行ったのも同じだけど、こっちは鳴かず飛ばずで全然成功しなかった父親だった。
父親への愛でいっぱいなのに素直になれないカオル。真也が背中を押し、もう一度向き合う父と娘。
こっちの父親は見栄っ張りでちょっとみっともない父親だったけど、時間が経つと愛しさが増すね。


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2012年10月19日

三匹のおっさんふたたび 有川浩著。

《★★★★》


ふたたび、三匹のおっさん現る。
町内の悪、諸問題を解決、退治していく痛快活劇!?
前作「三匹のおっさん」は、★は四つにしておきながらも、実はちょっと消化不良な印象で。
今回の★四つは文句なしの四つ!四つ半でもいいくらい。

分かった!分かった!
有川氏といえばベタ甘が当たり前で、それがおっさん主役だったんで物足りなかったんだよね。それで戸惑っちゃったってのが本音で。
今作は、そういうもんだ、と思ってたんで正真正銘満足。

「第一話」 キヨの長男の嫁である貴子が近所の肉屋でパートを始めたが、お嬢様育ちの貴子にはどうもしっくりなじめない職場で・・・。なにやらうまきいってない様子だけど、おっさんたちの出番はなく見守るしかない。パートのボスに毎回怒られ、陰口を叩かれても貴子には貴子の意地がある。
まさか自分の息子の彼女とは知らずに、早苗の優しさにも触れ、大人になった貴子であった。

「第二話」 重雄は行きつけの書店で万引き犯に遭遇した。中学生らしい風貌の犯人で、聞けば万引きの被害には悩まされているという。
が、店長の願いは、万引き犯を捕まえることよりも、万引きを思いとどまらせて諦めて帰ってくれる方がいい、その思いに三人は虚をつかれた。店長のその懐の大きさ。
ところがとんでもない母娘の登場で、やっぱり悪は摘み取らねば、と三人+祐希が立ち上がる。
痛快だったね〜。できれば計画的な少年たちは警察に突き出して欲しかったけど。三人のうち一人しか漫画買いに来なくて、残りの二人は給料返せ!と不満が残ったね。

「第三話」 早苗と祐希が珍しく喧嘩した。これは早苗のイライラやストレスが原因なんだけど、祐希には訳が分からない。実は、裏には早苗の父、則夫の見合いがあったのだ。
早苗は今までもこれからもずっと父といるつもりだった。だけど周りがそれをよしとしない。伯母に「そろそろ大人になりなさい」と言われれば、「お父さんの幸せも考えなさい。あなただっていつかは・・・」なんて言われたら見合いを応援しなくちゃいけないじゃんね。ちょっと私もあの伯母さん苦手かも。
でもやっぱり理解力のある彼氏を持つと、それがまた父の幼馴染みの孫なら話は早いわけで。お父さんと早苗は相思相愛なんだよね。

「第四話」 最近の若者と、老人のマナー合戦。
嘱託先のアミューズメントパークでごみを散らかしている中学生を注意した清一。その腹いせかわざとゴミがばら撒かれている事件が起こった。果たして三匹の張り込みが始まった。
いるわいるわ、関係のないゴミを持ち込む人々が。そして若者だけでなく、なんの疑問もなく人の敷地にゴミを捨てる老人も発見して、清一たちはやるせない気持ちになる。
本当にいそうで、私もげんなりしてしまった。

「第五話」 重雄の息子、康生は今はなくなってしまった祭を自分たちの手で祭を復活させたいと願い、三匹のおっさんたちの協力も得て、商店街で祭を復活させることになったのだが・・・。
お祭って、行って楽しむのは簡単だけど、祭を行うっていうのは町の一大事なんだな。町内会長の妨害があったりしてなかなか寄進が集まらない。
しかも寄進は拒否するくせに、祭には来るちゃっかりさ。あまりにも現実的で、どうにも後味が悪かった。
せめて小説の中だけでもあの町内会長やマンション住民に渇入れて欲しかったね〜。

「第六話」 偽者の三匹のおっさん現る!!
ただ目上という意味のない権威を振り回してずれた正義を振り回すだけで、はた迷惑な三人組。ところが放火を発見したという功績が、ますます彼らを調子に乗らせていく。
そして調子に乗らせた原因は、清一の妻芳江への初恋の思い出と清一への嫉妬が絡んでいた・・・とは芳江はまったく気付かない。
でも所詮偽者は偽者らしくやっぱりメッキは剥がれる。

「好きだよと言えずに初恋は、」 ああ、やっぱり!「植物図鑑」の日下部君だね!
そうか、そうか、日下部君か。これは日下部君の小学校時代の話?
それにしても女子のいじめは嫉妬が絡むといやらしいね!
posted by じゃじゃまま at 23:40| 神奈川 ☀| Comment(4) | TrackBack(2) | 有川浩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月25日

図書館戦争 有川浩著。

《★★★☆》

非常に遅ればせながらようやく読みました。
しかも偶然子供が友達に借りてきて、又貸し!!させてもらいました。
本が狙われている時代。メディア良化法という法律の元、本を読む自由や選ぶ自由が危機に晒され、メディア良化委員会に対立し、本を守るため、図書館法により図書館を守る自衛組織が発足した。
かつて本屋で遭遇したメディア良化委員会による検閲により本を奪われそうになったところを、図書隊に助けてもらい、以来彼を王子様と慕い、図書隊に志願した笠原郁。
犬猿の仲の上司、堂上と反発し合いながらも、なにやらニヤニヤしてしまうのは、なんとなくそういう方向に話しが行きそうだから?
堂上が王子様とは気付かず、歯向かってばかりだけど、堂上が常に郁のことを気にかけている風なのはにんまりだよね〜。

とはいえ、読み始めのころは、どうも郁が図体のでかいいかつい女の子って姿がちらほらしてしまって、やたらと堂上に突っかかるのもひやひやしちゃって、この先こんないかつい女の子に春は来るのかしら〜って不安だった。
それがあら不思議、読んでいくうちにだんだん郁が可愛く思えてきて。

有川氏を有名にしたこの「図書館戦争」を読む前に、他の作品を読んでいて、もっと可愛げのあるヒロインたちを見てしまったせいだね、郁の生意気さにハラハラ。

赤面もののセリフのオンパレードですが、早いとこ彼らのこの先の展開が読みたくなってきた。
郁と堂上、柴崎は小牧かな?と思ったけど、違うみたいで、それも早く確認しなくちゃ。

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2011年07月08日

県庁おもてなし課 有川浩著。

≪★★★★≫

高知県庁観光部に「おもてなし課」が発足した。
独創性も積極性もない、いかにも公務員な県庁職員たちが、高知県出身の作家、吉門喬介と、県庁伝説の男、清遠と出会い、高知県まるごとレジャーランド化構想を立ち上げ、奔走する。
果たして実現できるのか。

出だしはちょっとスローテンポだったかな。
県庁職員の掛水が、独創性も積極性もない案で作家吉門にこてんぱんにやられ、それでもくらいついていく。
吉門のアドバイスで探していたアシスタントも見つけ、多紀と息の合ったコンビぶりを展開。

そしてもう一つのアドバイス、それが県庁伝説の男、清遠との出会い。
かつて「パンダ誘致論」で県庁の度肝を抜き、そして県庁を追われた男。清遠なくては「高知県まるごとレジャーランド化」構想は立ち上がらなかった。

吉門がなぜ伝説の男を知っていたのか。
吉門と清遠の娘佐和。掛水と多紀。だんだんと読むスピードもアップ!

掛水、多紀、清遠、佐和、吉門が揃い、有川節も健在で、面白かった〜!

掛水と多紀は、もう予想通り。自転車を倒しての出会いから、多分こうなるんだろうな〜と。
吉門と佐和は、お!!って嬉しい誤算っていうか、おや?って思ったので、こっちの恋はニマニマしてしまった。

わたし的には、吉門と佐和の恋の方が胸キュン!

掛水と多紀が二人で一泊の視察?旅行に行くのは、ちょっとドキドキしたけど、ちょっとベタかな。
その前の掛水の部屋での会話も、若干わざとらしいし。

でも彼らが高知県をどうにかしよう、って立ち上がるのはすごいよかった。
私も、そうかそうか、高知県行ってみようかなって思ったもん。各県こうやって民間の視線で考えてくれるといいんだけどね。

トイレをきれいに、って、すっごい納得。そういえばそうかも〜って。
どんなに楽しくても確かにトイレ汚いとがっかりってあるある。あそこトイレ汚いからやだな〜って、そうそう覚えてる!
トイレきれいだと本当に印象いいし。

これは大事だぞ。

そういえばよさこい祭りって高知県じゃなかったっけ?高知県って楽しそう。

posted by じゃじゃまま at 23:21| 神奈川 ☁| Comment(3) | TrackBack(1) | 有川浩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月01日

塩の街 有川浩著。

≪★★★★≫

ある日世界が突然変わってしまった。
塩の隕石が降って来て、人々が塩の結晶になってしまった。そして、それはどんどん広がっている。
「塩害」と名付けられたその現象は、家族を奪い、人々から理性も奪い、治安は悪化、政府も国の機能も破綻した世界になってしまった。
そんな街の片隅に、一人の少女と、一人の男が住んでいた。
両親を塩害の日から失い、たった一人で生き延びてきた少女、真奈。しかし少女が一人で生き延びるには容赦ない世間だった。
貪る側と貪られる側。真奈は後者だ。男たちに襲われそうになって逃げた先で、一人の男に救われた。それが秋庭。

その日から二人は保護される者と保護者になった。そんな二人が、互いの存在を感じながら、言葉には出せない想いを募らせていく。
そして二人の前に、塩害の被害者たちが現れる。そのたびに真奈は心を痛める。
塩害は、悲劇をもたらしたけれど、愛する人とめぐり合わせてくれた。

そんな恋人たちの物語でもあった。

いや〜〜やっと読めた。
ずっと気になっていた自衛隊三部作。これが「塩の街」ね!!!
私はこういうの大好き。「空の中」は若干好みから外れてるけど、「海の底」なんてどストライクだし、「塩の街」も、こういう現象好きだな〜。
人々がいなくなっていく街で、片寄せあって、生きていく二人。
しかも秋庭、めちゃめちゃ強いし!出たよ、出た出た。有川氏のベタ甘少女マンガちっくな展開。

二人が相思相愛ながらも言えないところもいいけど、やっぱ、「その後」の物語の中で、家出した中学生に片思いされちゃう真奈に、ヤキモチやいて当る秋庭がいいよね!
あんな風に逆ギレされながら愛の告白されてみたいよ、本当。

そして、秋庭の父に会って、初めて二人がケンカして、困り果てた秋庭が真奈に歩み寄るところは、何度も読み返しちゃった。たった一行だけど。
二人が初めて結ばれる夜、ってことだよね〜。思わず3度ほど読み返してニヤニヤしてしまった。

この幸福感が堪らないね。



posted by じゃじゃまま at 17:22| 神奈川 ☁| Comment(3) | TrackBack(2) | 有川浩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月25日

ストーリー・セラー 有川浩著。

≪★★☆≫

sideAとsideBからなる二つの物語。
sideAは、モノを考えると死に近づいてしまうという、世界でたった一人しかいない致死性脳劣化症候群という病気にかかってしまった小説家の女性と、第一号のファンで夫である男性の物語。
二人の出会いは、会社の同僚としてだった。互いを気になる存在として位置づけていながらも近づけずにいた二人だが、うっかり彼女の私物を見てしまい、そこからなんとも、本当にこんな会話する奴いるのか、っていう甘いモードに突入。
そんな二人の生活も、人気作家になった彼女への妬みや家族の問題が起こり、そして病に倒れる。そんな彼女をいつまでも愛し続ける夫婦の物語。

sideBは、女性作家を死なせる物語を書いた作家が、今度は女性作家の夫を死なせるという物語を書こうと思い立ち、そして苦悩する。
二人のきっかけは会社の屋上。彼が手にし、涙ぐんでいる本は、彼女の書いたものだった。
自分の作品のファンでいる彼。自分の好きな作家である彼女。そんな二人は、互いを必要とし、これ以上ないくらい愛し合っていた。
そして、次は女性作家の夫を死なせる物語を書こう、と夫が言い出し、面白そうなんて思った罰なのか、夫が事故に遭い、そして告げられるある事実。

読んでいる間は結構もらい泣きしたんだけど、でも正直分かりづらくて、読み終えてしまうと、今までの作品と違って、あんまり心に残らなかった。

posted by じゃじゃまま at 17:18| 神奈川 ☀| Comment(5) | TrackBack(2) | 有川浩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月12日

シアター! 有川浩著。

≪★★★☆≫

文句なしで面白いし、読みやすかった。
有川氏なので、ついついベタ甘を期待してしまっていたので、それが少なめで正直がっかり。
でも、読みやすくて、劇団事情など面白く読めた。
いじめられっ子だった弟が劇団に入ったことにより人生の転機を迎える。
劇団を旗揚げして、とそこまではいいけど、「好きなことをやってればいい」それだけでは成り立たない。
借金を抱えて、しっかり者の兄に泣きついた。
300万貸す条件として、2年後に全額返済、しかも劇団の収益のみしか認めない、できなければ劇団を潰せ!それが条件なのだ。
さあ、どうする「シアターフラッグ」の面々。

劇団を潰すのが目的なのか、弟達を助けてあげたいのか、どちらにせよ弟思いの司なのだ。

実は、実はわたくし・・・って、別に元演劇少女でもないし、元劇団員ってわけでもないんだけど、学生時代ものすごく小劇場の劇にハマってしまって、それこそ、前の方はござの上に体育座りってところで見たこともあるし、今でこそテレビで見かける俳優さんが、まだ駆け出しっていうか、旗揚げ間もない劇団で舞台に立ってたのを間近で見てた事もあったし、だから結構親近感持てて。

「シアター!」に出てくる劇団「シアターフラッグ」はそれなりに成功してるけど、昔見た劇団に、観客が5人くらいしかいなくて、最後の二人になってしまって帰るに帰れなかった思い出もある。
だから巧の劇団は恵まれてるんだと思う。
才能含めて。

しかも巧の兄の司がこれまた安心して任せられる逸材なので、何度も言うけど、本当に読みやすい。
三角関係ならぬ四角関係、五角関係も、なかなか。
私としては、巧の恋が叶わぬ方に賭けたい。できれば司とうまくいって欲しいところだけど、物語はそこまでは進まない。

頑張ってる人たちを応援したくなる、そんな物語でした。



posted by じゃじゃまま at 12:20| 神奈川 ☁| Comment(4) | TrackBack(3) | 有川浩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月19日

フリーター、家を買う。 有川浩著。

≪★★★★☆≫

家族を守るため、近所のいじめに耐えてきた母が精神を病んでしまった。
町を出る気持ちのない無理解な父、母親の病状に気づかずグータラ生活を続けてきた息子誠治。
そんな誠治が、一念発起。母親を今度は自分が守るため、身勝手な父や世にも恐ろしい実姉亜矢子と共に、立て直していく家族の再生物語。

テーマは暗いけど、笑い(微笑む程度)あり涙ありの、そして父や誠治、近所のばばあたちに怒りを感じながらも、爽やかな再生物語だった。

就職しても3ヶ月で辞めちゃって、履歴書も使い回し、バイトも嫌なら辞めちゃう、悪いのは周りで自分はそれなりにやってんじゃん的な適当な誠治。
ああ、最近乃南アサ氏の「ニサッタ、ニサッタ」にも似たような奴いたな。あっちは暗く、こっちは明るいけどね。
父誠一も、近所の不興を買ったのは自分なのに、一切顧みず、妻を罵り息子に当たり、どんどん妻を追い込んでった駄目親父。

姉の亜矢子だけが、近所のいじめを知っていて、母と共に何年も耐え続けていた。
その亜矢子が、母寿美子がとうとうまともな心を保てなくなってきて、乗り込んできた。
ここはスカッとしたね〜。
誠治がちょっと弱腰になって父に同情しちゃったのも甘いし、余計なお世話に感じたしね。

亜矢子のおかげで家庭崩壊が、半壊くらいで済んで、ここからは誠治の見せ所。
母のためにまずはお金ってんで、肉体労働ガテン系でバイトするんだけど、今までなにやっても続かなかった誠治が、ここで家庭のために、そして気のいい仲間と知り合ったことによって、ターニングポイントとなる出会いをしていく。

仕事ももちろん、自分自身も、なにかのために一生懸命になれる、そんな自分を発見できたことが一番大きかったと思う。
自分が変われば周りも変わる。

そこからは誠治も、誠一も、寿美子も、みんなが再生していく。

もしもこの物語を半年前に読んでいたら、どうだろう。
ここまで泣かなかったかもしれない。誠治を見ていると面白いくらいに自分を重ねてしまう。

駄目駄目な親父誠一も、プライドが高くて妻の病を、心が弱いからだ!なんて斬り捨てちゃうけど、3歩進んで5歩下がるくらいな反省の仕方だけど、ちょっとずつ家族に向き合っていく。
その駄目親父だけど、言ってることが正論!!ってのもあって、結構侮れない。駄目親父一筋じゃないんだよね。

適当な履歴書を送っていた誠治に、字は丁寧に書け、さすが経理の鬼と呼ばれてるだけあって仕事は一流んだんよね。

誠治のバイト先の作業長も、骨のある男だしね。
言い訳をするな。理由は聞かれてから答えろ!う〜〜、これは息子に是非聞かせたいね。

有川氏のベタベタ甘甘モードがないので、皆無かと思いきやちゃんとついてきましたよ。おまけ的な感じはするけど。
なので星は4つ半。
でもすご〜〜くよかったよ。



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2010年04月27日

キケン 有川浩著。

≪★★★☆≫
成南電気工科大学の、「機械制御研究部」略して「機研」で彼らが過ごした熱い4年間の物語。
大学きっての危険な男、機研の部長「成南のユナ・ボマー」こと上野。
機研副部長、大魔神、大神。お店の子、と呼ばれ、学園祭では伝説の百万超えを打ち出した元山。元山と共に機研に入部した、冷静男池谷。

因縁のPC研との学園祭での戦い、副部長大神の失恋、ロボット相撲大会での暴挙、有川氏だから、甘甘の恋愛話期待してたんだけど、この面々見てたら、期待薄だよね〜。

でも、どんだけ楽しかったかが伝わる。
最後の、元山が妻と母校を訪れた先で見つけた黒板のメッセージ、あの瞬間に、今までのすべての物語がぐ〜〜〜〜っと意味を持った。

あの4年間があったから、こうやって今があるんだな。
続いてる彼らの時間が、心底羨ましかった。

元山が言う。
−なあ、気づいているか、お前ら。今は必死で楽しいなんて考える余裕もないだろうけど。・・・それに気がつくのは、自分がもう厨房の店員にも出前の司令塔にもなれなくなってからなんだ。部外者になってからじゃないと分からないんだ。−

激しく共感。


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2009年12月18日

植物図鑑 有川浩著。

≪★★★★★≫
樹木の樹って書いてイツキって読むんだ。さやかが彼から直接聞いた個人情報はそれだけだった。(本文より)
冬も終わりかけの、でもまだ凍りつく、ある休前日の夜。さやかは彼を拾った。
さやかとイツキの不思議な同居生活が始まり、そして彼はいきなり消えた。

う〜〜ん。私は不覚にも泣いてしまった。
ベタ甘の二人のやり取り、20代後半の男女がそんな純愛しちゃ、こっちが照れちゃうよ、の連続。
とは言っても植物が間に挟まるので、ちょっと味は薄め?

タイトルが「植物図鑑」なので仕方ないんだけど、個人的に植物にまったく興味がないので、植物のうん蓄よりも早く物語り進めちゃって〜って感じ?
二人の関係が進むまで、ちょっと長いよ〜〜〜。気付くと半分くらいまで20代後半の大人が一緒に暮らしてて、まるで中学生か?の純愛に、もどかしかった〜!

私なら勝手にいなくなってしまった男を一年待つか!?待てるか?
そこまで強くないから、寂しさを竹沢で埋めてしまいそうな気がする!!
そもそも好きになってしまったら、相手のこと知りたくて、聞いちゃいそう。いつまでここにいてくれるの?とか約束も欲しくなりそうだ。

さやかがどれほどイツキを待っていたのか、カーテンコールの樹の辛い時期、読んでて泣いちゃったんだよね。

もう自分には絶対に取り戻すことの出来ない時間のあれこれを思い出して、切なくなって泣いてしまった。
この歳になってね〜。

期待以上に、よかった。まさか有川作品で泣いちゃうとは・・・。

posted by じゃじゃまま at 21:22| ☀| Comment(6) | TrackBack(3) | 有川浩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月07日

三匹のおっさん 有川浩著。

≪★★★★≫
甘ったれた長男夫婦と二世帯同居している、本業はサラリーマンだった剣道の元師範キヨ。定年後再就職したアミューズメントパーク(ゲーセン)には生意気盛りの孫がバイトしている一匹目のおっさん。
居酒屋「酔いどれ鯨」を息子の代に譲りながらも、サポートしている柔道家のシゲ。いつもジャージで、本当は愛妻家なのに、照れ屋で乱暴なことしか言えない二匹目のおっさん。
二匹に比べたら体格もイマイチだけど、機械いじりの名人で、数々の護身用の武器など作らせたら天下一品のノリ。亡き妻の忘れ形見の、孫ほども歳の離れた娘を溺愛している三匹目のおっさん。

三匹のおっさんが、世の中の悪を退治し、町を守りぬく痛快人情物語。
ノリの娘早苗と、キヨの孫祐希の恋愛は、大甘の有川氏健在で、にまにましちゃう。

第一話は、キヨと、出来損ない長男夫婦の子ども、祐希との反発しながらも祖父と孫の絆の第一歩の物語。今どきな高校生が、おじいちゃんに一目置くところは読んでて痛快。

第二話は、町に悪質な痴漢、というより婦女暴行魔が出没し、ノリの娘早苗があわや犠牲者に!ここは早苗と祐希の出会いの場でもある。
ちょっと有川モード突入の兆しが。

第三話は、早苗と祐希の進展ににんまりとさせながらも、シゲの妻に沸いて起こった不倫騒動。
うん、結構ロマンチック。他の男に心が動いた妻を、がっしりと掴んで引き寄せるシゲ!男だね〜。優しさも忘れないところが、やっぱ有川ワールド。

第四話、祐希と早苗の母校である中学校で、動物虐待が!
訴えてきたのは、道場の元弟子の中学生。三匹のおっさんは、さすが年の功なのか。目星をつけてた辺りは脱帽。
この章、泣けた。元弟子である工藤君と、工藤君の好きな女の子新垣さんが、一件落着した後に、自分たちの犯した過ちを語り合うところ。何度読んでもく〜〜っと泣ける。
駄菓子屋のおばあちゃんのセリフも、いじめをして謝りたいと言った新垣さんへ「改心したからといって許してもらえると思うな」と言ったお父さんの言葉。

でも悪いことをしたって、親に言える素直な気持ち、大事だなって。

第五話は、早苗のクラスメートの潤子に、振り回される羽目になった早苗と祐希。互いの気持ちがすれ違いながらもはっきりとしてきて、青春モード全開。潤子が巻き込まれた未成年買春騒動とでも言うのか?
やっぱり年の功のおっさんたちの活躍に、スッとした。

第六話は、この中でもちょっと地味だったかな。高齢者を狙った悪徳商法。キヨの妻の友人を救うために、またまた三匹のおっさんが立ち上がった。
こ〜んなおっさんがいたら安心して住める町。
甘ったれな長男夫婦に、してやられないキヨ夫婦もいいし、今どきな祐希が、きっとこの先しゃんとした青年になっていくであろうことも期待できるしね〜。
面白かった、大満足の一冊。



posted by じゃじゃまま at 16:47| ☔| Comment(8) | TrackBack(5) | 有川浩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月03日

ラブコメ今昔 有川浩著。

≪★★★≫
んま〜〜〜っ!自分がヒロインだったら酔いしれるところだけど、これが友だちの話で、こんな風にのろけられたら、どついたるねん!

「ラブコメ今昔」 着任したばかりの広報自衛官、千尋が、隊内紙「あづま」に載せる特集記事のために、上官に面会を申し込む。その特集とは「自衛官の恋愛を結婚」。見合い結婚で、去年娘を嫁に出した年代には、人さまに自分の恋愛を語ってそれを読まれるなんて許しがたい!と逃げる!追う広報。
出会いは見合い、ありきたりな手順を踏んでの結婚だけど、そこに至るまでの気持ちと、それからの夫婦生活は、まるで味の染み込んだおでんのようだった。
千尋と吉敷がそういう仲だってのはオマケだけど、なんだよ、そういうことかよってがくっときた。

「軍事とオタクと彼」 出張帰りの新幹線の中で出会った海上自衛隊の年下の可愛い彼氏。ただま海外派遣で遠距離恋愛中。
有川モード全開の、ベタベタ〜、歌穂が友だちだったら、これ聞いてる方は堪らないね。でも積極的な関西人、歌穂の押しっぷりは、ちょっと好きじゃないかも。

「広報官、走る!」 映画とドラマに協力することになり、自衛隊側の協力スタッフとしてAD鹿野と出会った、海幕広報室の政屋。
王様ディレクターに怒られてる姿見て、手を差し伸べる政屋は、またもや有川節。
鹿野さんがどういう女の子なのか、ってところがあんまり出てなかったので、さほど感情移入できず。

「青い衝撃」 航空自衛隊の「ブルーインパルス」は超人気者。そのパイロットである夫に近寄る謎の美女。宣戦布告された公恵は・・・。
これ、本当に浮気とかしてる人いないのかな。あまりにも、出てくる自衛隊員どれもこれも顔もそこそこで、一途だし、こんな男性だったらいいよなって思うよ、私だって。

「秘め事」 上官の娘の友だちにと紹介されたはずが、その上官の娘とくっついてしまった陸上自衛隊の手島。上官に切り出せないうちに、仲間が訓練中事故死した。言えない、言い出せない。
でもこのままでは有季を失ってしまう。
表題作とこれがよかったかな。有季もどんな子が分かったし、応援したくなるよね。

「ダンディ・ライオン」 表題作では隊内紙の記者とカメラマンとして登場した二等陸尉の千尋と下士官吉敷。実はカップルだったんだねってオチだった表題作だけど、二人がどんな出会いをしたのか、ってまたもや甘甘っちゅうか、勝手にしてくれっちゅうか、活字で読んじゃうとほんと照れちゃうけど、ま、恋の始まりなんてそんなものかもね。

別マなんかでありえそうな話ばかりだね。ちょっと見てみたい。

posted by じゃじゃまま at 22:57| ☀| Comment(12) | TrackBack(6) | 有川浩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月18日

阪急電車 有川浩著。

≪★★★★≫

なんだかにんまり、じんわり、ベタベタ〜〜〜。
勝手に、阪急電車にまつわるエピソードのつまったエッセイかと思ってた。エッセイは読まない主義なので、失敗したかな〜と思ってたら、それぞれの駅にまつわる人々の連作短編集だった。
偶然、図書館で見かける女性と、偶然、電車で遭遇した男性。それが恋に発展して・・・。
5年間付き合って結婚間近だった恋人を、友だち面した女に寝取られて、結婚式に討ち入りした祥子。
暴力的なボーイフレンドなのに、顔色伺いながら付き合ってるミサ。
今日もまたちょっとしたことなのに、ちょっとしたことで終わらず大ケンカしてしまった。やだやだ、と思いながらも決心できないでいる。そんなミサに・・・。
孫娘と電車に乗ろうとして、恋が始まりそうなカップルをホームで見かけ、車内では元恋人の結婚式に討ち入りしてきた祥子に、励ましの言葉を投げかけ、くだらない男と付き合ってるミサには、背中を押す一言をつぶやくおばあちゃん。

漢字も読めないおバカな社会人と付き合っている女子高生のえっちゃん。
えっちゃんが行きたかった大学に通ってる、美帆と圭一。偶然同じ電車で知り合い、話してるうちに、初対面なのに、意気投合して恋が始まった二人。お互い異性を付き合うのは初心者で、すごく微笑ましい。
えっちゃんは、お似合いの二人を見て、少し羨ましいけど、でも漢字が読めなくても、おバカでも、えっちゃんを想ってくれる想いは誰にも負けない、そんな彼氏が一番大事だと思う。

主な登場人物は彼らだけど、電車に乗って、誰かと縁してる。赤の他人だと思ってたら、同じ電車に乗り合わせたことにより、どこかで繋がってたり。

主だった彼らの後ろで、通りすがり的に登場して、見えないところで今後関わってくるのかなと思わせる、そんな存在のミサの友人の兄も捨てがたい。
祥子が出会った、小学生の女の子軍団。意地悪する側とされる側。
なんだか、意地悪されても凛としてる小学生のショウコちゃんに、泣かされてしまった。祥子が言う「あなたみたいな子はこれからも損をする」って言葉に、ツンときた。

うるさいおばさん連中との付き合いに、辟易してる女性にも共感してしまって、うん、あれもよかったな。
でもやっぱり、美帆ちゃんと圭一のベタベタぶりでしょう〜。
もちろんえっちゃんと社会人の彼氏も、かなりでしたが。

なんか、20年前に戻りたくなってしまったよ。
posted by じゃじゃまま at 21:44| ☔| Comment(11) | TrackBack(11) | 有川浩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月08日

クジラの彼 有川浩著。

≪★★★★≫
もうデレッデレ。こんな男性いますかね〜〜〜〜〜??どうでしょう、男性陣?
こんなクッサイセリフ、言ってる人いるかな〜??
ま、ハッピーエンドは嫌いじゃないから、これでいいんだけどね。

そっかそっか、「クジラの彼」は冬原ね。そんなことはとっくにいろんなブログで聞いてたし、だからこそ借りたんだけど、今さらながらに再会に感動。
「海の底」ではあんなこと、こんなことがあったのに、「クジラの彼」ではたったの数行。しかも亡くなってしまったあの艦長さんが、二人が出会った頃はまだ生きてたってことも、ちょっと痛い。冬原が聡子に会いにきた時、彼が泣いた事情が分かるだけに・・・。
でもいい男じゃない???冬原。私も学生時代、防衛大の人よく見かけてたけど、そんな目で見たことなかったもんな〜〜〜。惜しいことした!

「ロールアウト」も航空設計士の女の子が、航空自衛隊の彼とトイレをめぐって、恋に落ちていく。なんて書くとくっさいんだけど(言葉がね)、でもどれもこれも自衛隊がかっこよく思えちゃって。
海上自衛隊と航空自衛隊は、なんかいいよね。すっごい贔屓だけど。
でも正直、私は、通路として男性トイレを使うこと全然気にしない女性なんですけど〜〜。あそこまで通路を嫌がる絵里が不思議。
そのくせ自衛官の方は「小用」って言うのに対し、絵里は「オシッコ」って口にするのが、こっちの方が恥ずかしいし、変。

「国防レンアイ」陸上自衛隊っすね。どうも陸上自衛隊は、渋谷とかで勧誘のイメージが強くて。まるで青春ドラマのようだね。

「有能な彼女」は、「海の底」のもう一人のヒーローと彼女のその後ですね。ここでまた冬原たちのその後も知れたのも嬉しい。
それにしても、夏木のデレデレぶり・・・見てらんない。口下手のくせにあそこまで言えるかね?にやけすぎちゃって、ちょっとほっぺの肉が痛いぞ。

「脱柵エレジー」遠距離恋愛に耐えられず、結局みなさん近場になっていくんでしょうかね。そ〜〜いえば、昔学生時代の友だちが陸上自衛隊の人と付き合ってたけど、結構すぐに別れちゃったよね。理由忘れちゃったけど、当時は自衛隊って税金の無駄くらいに思ってたから、いい印象なかったんだけど、有川氏の作品読んでると、見る目断然変わっちゃう。

「ファイターパイロットの君」いや〜、「空の中」の二人ですね。絶対この二人のその後読みたかったので、まさかここでこの二人とも再会するとは。
有川氏のラストは、結ばれるってことでいいんですね。この先もどんな話が待ってるか分かりませんが、いろんな恋愛読みたいですね〜。
結婚して子どもを産んでも飛ぶことを辞めない嫁に、舅姑が言う嫌味、それを聞く子どもにウルウルしてしまった。
やっぱりこの二人、結婚したか。

有川氏の写真が載ってたんだけど、可愛い人だね。ご主人が自衛官ってことは・・・ないか。

posted by じゃじゃまま at 14:27| Comment(9) | TrackBack(9) | 有川浩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月06日

海の底 有川浩著。

私はこういうの大好き、だと思ってたんですよね〜。いや、好きですよ、【アナコンダ】とか【グエムル】とかゾンビに追いかけられたり・・・そういう話大好きなので、ものすご〜〜〜〜く楽しみにしてました!。。。でも読んでて分かったのは、私が好きなのは映像で見るのが好きってことかも。
文字になると、映像以上に自分の中で具体的に想像してしまって、ちょっと気持ち悪かった。
巨大ザリガニが横須賀の街を襲い、ムシャムシャ食べられていく、そんな様が丁寧に書かれてて、これが映像なら数秒で終わるところが、文字なのでより時間をかけて、頭の中でより具体的に想像する時間もプラスされて、気持ち悪かったよ〜〜〜〜〜。しかも、私の頭の中ではなぜか、ザリガニが蟹に変換されてしまって、より一層気持ち悪かった。

でも面白かった。海上自衛隊の幹部実習生の夏木と冬原。逃げ惑う子ども達を救うために艦長が犠牲になり、夏木と冬原は子ども達と共に潜水艦に立てこもる。周りにはぞっとするくらいの数のザリガニに囲まれ、またまた気持ち悪〜〜〜〜〜〜い。
救った子どもたちも、生意気な中学生、圭介はトラブルメーカーで常に摩擦を引き起こす。圭介に目の敵にされる望。望の初恋。怪物パニックの他にも、潜水艦内では様々なドラマがあって、ほんと、楽しい。
圭介の身勝手な脱出劇の際、開けたハッチからザリガニが入ってきて、潜水艦内が大惨劇になったらどうしよ〜〜、なんて一瞬よぎったけど、もう後半だったし、今さらそんな展開もなしって感じで予想が外れてよかった。
これ、映像で見たい。好きなんだ、パニックものって。

でも、警察から自衛隊に代わった途端、あっけなかったよね。なんだよ、それ、ってくらいに。

ああ〜〜、早く「クジラの彼」読みたい!!
posted by じゃじゃまま at 14:52| Comment(13) | TrackBack(11) | 有川浩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月01日

空の中 有川浩著。

≪★★★≫
「海の底」が私の大好きなパニックものと聞いて、まずそれを読む前に順番に、と読んでみました。
映画でもゾンビとか怪物が出てきて、わーわーきゃーきゃーするの大好きなので、かなり期待してました。

航空自衛官と企業の調査官との恋、幼なじみの恋など、ニマニマする部分もあって楽しめたけど、肝心の怪物のところが、ちょっと期待外れ。
今回の空に浮かぶ「白鯨」は、謎の物体とされてて、人間とわりと友好的で、一部友好的じゃないのもいたけど、どのように関係を結ぼうかってところに重点が置かれてたので、私としては、友好的ではない(防衛的っていうんだっけ?)のがじゃんじゃん人間に攻撃してる様を、できれば街中の様子を中心に物語を書いて欲しかった。
そうすれば、私の大好きなパニックものが出来上がるってもので。

柴田よしき氏の「炎都」なぞ、私好みの仕上がりで、でもなかなかないんだよね〜、ただ怪物が出てくればいいってもんじゃないし、好みの加減がね。

ただ「空の中」は、まだまだこの先のために読み始めたので、決して嫌いではないぞ。お父さんと喧嘩したまま、仲直りしてないのに、事故で亡くした少女。それを深く後悔してる彼女に、「仲直りするつもりだったならば、それはもう仲直りできてるということ」と言った言葉と、「間違ってることをしたら、その先どんなに進んで誤魔化そうとしても間違いは取り消せない」、この二つの名言、肝に銘じよう。
posted by じゃじゃまま at 23:04| Comment(9) | TrackBack(6) | 有川浩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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