2015年01月18日

スターダストパレード 小路幸也著。

《★★★☆》

(内容紹介)
傷心の元暴走族ヘッドが、
言葉を失った5歳の少女と逃避行――

星屑のようなささやかな僕たちの光。

『東京バンドワゴン』の著者が描く
極上のハートフル・ミステリー

元暴走族のヘッド・マモルが刑務所から出所した日に、
彼を無実の罪で逮捕した刑事・鷹原が迎えにきた。
鷹原は、母・ジョゼットを不審な死で亡くした少女・ニノンが
何者かに狙われているため、
三重にいる鷹原の元妻・美里のところへ連れていくようマモルに依頼。
マモルに去来する美里との過去と想い――。
マモルとニノンは無事に辿り着けるのか?
そしてジョゼットの死の真相とは?

生きていていいんだってあの人に教えてもらったんだ――  

物語の始まりの、その前からが、一つの小説になっていいくらいの内容だよね。
マモルの母親と妹は父親に殺されていて、だから同じ境遇のニノンに心寄せるって件もあって。
で、世話になった鷹原とその妻と男女の関係になって、無実の罪で刑務所に入れられて、その辺りも一つの小説になりそう。

あ、忘れちゃいけないのは、そうだった!鷹原とその同僚の杏子ちゃんには共通の目的があって。
杏子ちゃんの父であり、鷹原の尊敬する先輩刑事はある政治家絡みで殺されてて。
これだって、小説にするにはいい材料でしょ。
物語にするのは、骨折りそうだけど。
その辺の難しいとことは過去の話でさらっといって、この物語の軸は、ニノンちゃんの母親殺しの真相と、マモルとの逃避行の果ての鷹原と元妻の関係。

どれをとってもすごいネタでしょう〜。
結局、仇は取れなかった。大きく大きく風呂敷を広げたのに、畳みきれなかった。包みきれなかった。
そんな感じ。

でも小路氏の世界は、ドロドロとしたものではなく、ほっこりと最後は収まる感じなんだよね。

結局、ニノンちゃんは鷹原さんと美里さんが育てるんだろうな。
「壁と孔雀」もそうだったけど、全然別の人同士が最後は一緒に暮らして、めでたし、って。だけど、そこが一番安心だよね、ってとこに落ち着く。

面白かったけど、物語の前の段階もすごいことになってるじゃん!そっちも詳しく知りたいよ、って思いながら読み終えた感じ。



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2014年12月28日

壁と孔雀 小路幸也著。

《★★★★》

警視庁SPの土壁英朗は仕事の負傷で休暇を取り、幼い頃両親の離婚で別れたまま2年前に事故死した母の墓参りに赴く。北海道にある母の実家は町を支配する名家で、今は祖父母と小5の異父弟・未来が住んでいた。しかし初めて会う未来は自分が母を殺したと告げ、自ら座敷牢に篭もっていた。その真意とは?さらに町では謎の事故が相次ぐ。信じるべきものがわからぬまま、英朗は家族を護るため立ち上がる。 (「BOOK」データベースより)

小路氏にしてはちょっと珍しい、きな臭さの漂うミステリー小説。
でも、やっぱり根底には人の優しさが流れている。
主人公、土壁英朗には幼い頃に別れた母がいる。父とは駆け落ちで結ばれたという。その母がある日父と別れ英朗を置いて家を出てしまった。それから数十年、母の死に、墓参りのために、会ったこともない祖父母に会いに行く。
それまで音信不通だった英朗に対し、祖父母は愛情を持って接してくれる。ずっと気にかけていた、と。
こういうところが優しいんだよね。

そして、英朗は知らなかった。自分に異父兄弟がいたことを。まだ小学生の弟。だけど父親の存在は知らされていない。
秘密の多い母の一族だけど、今までの小路氏の小説のようにぎりぎりまで引っ張って感はあまり感じなかった。

篠太家の結束は、ある秘密を守るためで、邪まなものもあれば、純粋に篠太本家を守るためだったり、だけどやっぱり小路氏だからね、根底には人間への優しさが溢れていて絶対に幸せになるの分かってるからね。

珍しくお金に絡んで嫌な奴いたけどね。

母親がどうして弟を産んだのか、どうしてあの池で死んでしまったのか、本当の真相は分からないままだったけど、未来も祖母も、英朗も、安心できたのでよかったよかった。

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2014年12月20日

ビタースイートワルツ 小路幸也著。

《★★★★》

2000年、北千住の“弓島珈琲”。店主の私(弓島大)を過去の事件から救ってくれた恩人で、常連客でもある三栖警部が失踪。三栖さんからとおぼしきメールには“ダイへ”とだけ。私と常連の純也は、早速探索に乗り出す。一方、私が過去に巻き込まれた事件に関わることになったあゆみは、女子大生となり、“弓島珈琲”へ出入りする。そのあゆみが、親友と連絡が取れないというのだが…。 (「BOOK」データベースより)

このシリーズ久しぶり。細かいことはほとんど忘れてるけど、ああ、そんなこともあったなぁとか、ああ、そうだったそうだった、と、多分前作よりも私は好感触。
基本、悪い人がいないんだ。

大さんのことを慕うあゆみちゃんの親友と、三栖警部失踪事件がひとつになって、悪意からの事件かと心配したけど、結局それぞれを想う気持ちが発端となって、下地に流れるものは温かい。
大さんの恋人が死ぬきっかけを作った人物も、すっかりいい人になっていて、これも本人の意思でいい人になってるんだけど、なかなかこんな風に自分の意思だけで更生できる人ってのもいないんじゃないか。

そして周囲にいる人たちも、それを見守って、基本、いい人たちばかり。

今、小路氏の次の作品を読んでるんだけど、きっとこれも下地に流れるものは優しいんだろうな〜と思いながら、先を楽しみに進めている。

なんだかミートソースが食べたくなる小説だった。



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2014年11月12日

スタンダップダブル!甲子園ステージ 小路幸也著。

《★★★★》

見た目はそっくりながら性格は対照的な双子―エースピッチャーの青山康一とセンターの健一を擁する神別高校野球部は、北北海道大会を勝ち抜きいよいよ甲子園へ!彼らの不思議な強さの「秘密」と、優勝を目指す特別な「理由」を知る前橋絵里は、全国紙のスポーツ記者。彼女の前に、神別高校の監督・田村と高校時代にチームメイトだったフリーのスポーツライター・塩崎が現われ、神別高校の周囲をしつこいくらいにかぎ回りはじめる。塩崎は、田村との間に因縁があるらしい。絵里は、危険なネタを得意とするルポライター・西島などの応援を得て、なんとか神別高校ナインを守ろうとするが…。 (「BOOK」データベースより)

ほっこりと心が温まる。
塩崎というちょっとした悪役が出てきて、不安になったりもしたけど、基本、小路氏はいつも心優しい物語。
だから安心しながらも、そしてその期待を裏切らなかったことにやっぱりまた安心して。

西崎さんの案に乗ってみたものの、結局そこまで塩崎はいい人ではなくて、失敗だったよ、って前橋絵里は思う。
ところが、最後の最後に山路さんが強烈なカードを切った。
塩崎も恐れをなしちゃうくらいの、大物の存在。だったら、最初から言えばいいのに、って思ったけどね。そこだけ突っ込んだけど。
それにしても、本当にいい人たちに恵まれて、ほっこり温まった。


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2014年09月29日

オール・ユー・ニード・イズ・ラブ 東京バンドワゴン 小路幸也著。

《★★★★》

待ってましたの、東京バンドワゴンシリーズ、もう何弾だか分からなくなってしまいました。9弾か??
細かいエピソードは忘れてしまっても、大丈夫。なんとかついていけるから。
今は亡き、サチさんの語りが耳に心地よく、東京バンドワゴンを舞台に繰り広げられる人情あふれる下町の物語。
 
秋は、
「真っ赤な紅葉はなに見て燃える」・・・ 堀田家ゆかりの人々が増えてきてみ〜んなお知り合い状態なんだけど。
青が出演した映画の脚本家の岸田さんが東京バンドワゴンにやって来て、すずみさんが作った特設コーナーの作家の棚を見ている。そこへ岸田さんと高校時代同級生だった、これまたバンドワゴンゆかりの裕太君がやって来て、再会する。
裕太君によると、岸田さんはすずみさんがフェアをやっている作家の本を燃やしていた過去があるという。なんと、その作家の娘が岸田さんということも判明する。
同じ頃、本を売りに来た女の子。この子も訳ありで、記入した住所と帰る場所が違うことにバンドワゴンの面々はなにかあると察知して、心配する。
親子の絆を優しく問いかける。

それにしても、裕太君って誰だっけ?

冬、
「蔵くなるまで待って」・・・東京バンドワゴンの蔵に眠る、秘密の蔵書に気付いたライターがいるという。
サチさんの実家のことや、なんだか忘れちゃったけど、大事なものなんだよね。
そのライターさんがとうとうバンドワゴンにやって来た。サチさんの初スキャンダルにも話が及んで、藤島さんまでがお父さんの後妻さんとのスキャンダルが狙われたり、そこで明かされる藤島さんの素姓。
とっても有名な書家を父に持つご子息だったという。
敏腕実業家の藤島さんのアイデアで、蔵の蔵書をすべてデジタルアーカイブ化することで、ライターさんをもバンドワゴン側に抱き込め、サチさんの日記から、身の潔白も証明されてよかったよかった。
ついでに、このライターさんと、木島さんっていう、最初にライターさんの存在を勘一に教えてくれた記者さんね、この二人が結婚するってところまで話は及ぶ。

ってことは、本当はバンドワゴンのこと教えたの、木島さんじゃないの?って疑いたくもなるよね。
この二人の結婚は余計だった気もするけど、花陽の友達が木島さんの子供で、この少女が父親の再婚を望んでるって設定だったしね。

春、
「歌って咲かせる実もあるさ」・・・ 勘一が盲腸で入院しちゃった。
バンドワゴンに隣接するカフェに、常連さんの薫子さんがやって来る。最近、古銭でコーヒー代を支払うってことで、藍子や亜美さん、仲良しのすずみさんから事情を聞いていたお嫁さんは心配していた。幼馴染でもある我南人は、薫子さんの優しい遠慮と気遣いに気付く。
物語常連の茅野さんは、元刑事でありながら、古本の詐欺にあってしまう。でも本人はそれでもどこか楽しそう。
一番シンプルな章だったけど、好き。

夏、
「オール・ユー・ニード・イズ・ラブ」・・・ 木島さんと仁科さんの結婚の話や、研人が高校に行かずにロンドンへ音楽のために留学したいと言い出す章。
ちょっと登場人物が増えてきたから、整理するのにちょうどいいかな、なんて勝手に思ってたら、結局は行かないし。
身内の説得よりも、おじいちゃんである我南人の人脈はすごかった。
世界的に超有名なミュージシャンと研人を会わせ、海外を知るためにはまず足元を見よ、じゃないけど、自分の国をよく知ることだ、と悟らせる。
そうなんだよね、海外に行くと日本のこと聞かれたりするんだよね。自信を持って答えられない自分が恥ずかしい。
日本人は自分の国というか、愛国心って改めて考えたりしないもんね。

昔、海外で古典のこと聞かれたもんね。

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2014年06月19日

札幌アンダーソング 小路幸也著。

《★☆》

北海道は札幌。雪の中、全裸で発見された変態的な遺体の謎を解くため、若手刑事の仲野久は、無駄に色男の先輩・根来とともに、「変態の専門家」を訪ねる。はたしてその専門家とは、とんでもない美貌の天才少年・春。なんと彼は、四世代前までの、先祖の記憶を持つという。その膨大な記憶から、あらゆる事実を見逃かすことができるのだ。その頭脳により、春は犯人の遺したメッセージを看破。しかも意外な方法で犯人を挑発し始め…!?変態事件に巻き込まれたフツウの主人公の運命は。そして札幌の歴史に秘められた意外すぎる謎とは…!?
(「BOOK」データベースより)

なんだろう?
全然入り込めなかった。レビューには、札幌を知っている人、お勧め!みたいなこと書いてあったので、旅行で4回しか言ったことはないけど、楽しみに読んだけど。

謎の変死体とか、秘密組織とか、先祖からの記憶を全部脳にしまいこんでいる天才青年とか、まったく興味を覚えなかった。
札幌住民なら、その都市伝説を知っていて実は楽しめたのかな。

肝心の対決とか全部複雑なところはさっさとうまいこと終わっていて、装丁も趣味じゃなくて・・・。

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2013年08月23日

蜂蜜秘密 小路幸也著。

《★★★》


そこはとても素敵な場所。妖精が住んでいたと言われていた村、「ポロウ村」。
街には電車も電気もいろんなものが溢れているけど、その村では、あるものを守るために車を使わず馬車を使い、電気も制限している。
昔からそこでしか作れない、特別な蜜蜂が特別な花で作る蜂蜜。奇跡の蜂蜜「ポロウの蜂蜜」。

それぞれの役割があって、使命ある家に生まれた子供たちは、代々受け継いでいく。

子供向けのディズニー映画のように、ファンタジーで優しい映像の感じが頭の中に浮かんできた。

ある日編入生がやって来た。いい人しかいなさそうな村に、大きな使命を持ってレオはこの村にやって来た。
なにか秘密を持っていそうな、しかもレオも限りなくいい子なんだけど、絶対になにか怪しい。
で、いい人しかいなさそうな村だったのに、悪者が二人混じっていたね。

基本的にはあまりファンタジーって得意じゃない。しかも外国風な名前がついている登場人物のって、どういうわけかちょっと受け入れがたくて・・・でも、まあ、なんというか子供向けの物語読んでる風で、読めたかな。

そんなに好きな作風ではないけど、でも、忘れなさそうな気がする。


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2013年05月27日

スタンダップダブル! 小路幸也著。

《★★★★☆》


離れ離れになった仲間のために、絶対に甲子園に行くんだ!
神別高校ナイン、マネージャー、監督、そして彼らの不思議なプレーに気付いた新聞記者が夢を叶えるために奮闘する、心温まるハートフルストーリー。

絶対に甲子園に行って、自分たちの姿をみんなに見せるんだ。今はここにはいない施設の園長のためにも。
その夢のために、彼らの不思議に気付き取材を開始した前橋絵里に接触してきた山路蓮。彼の目的も、彼らを甲子園に連れていくこと。
もしかしたら夢を叶えるために、彼らはたくさん傷つかなくちゃいけないかもしれない。それくらいの過去を彼らは持っていた。
そんなマスコミの攻撃から守るために、前橋絵里に山路はすべての事情を話し、協力を請う。

基本、絵里も上司である伯父も、職場の人たちもみんないい人だから、親のいない彼らが施設の中で野球を通して絆を深めていったこと、それが園長の止むにやまれぬ犯罪で施設が閉鎖され、みんなバラバラになってしまったこと、野球をやっていた少年たちだけは中学の校長先生の計らいで親戚や近くの人に養子にしてもらっていること。そんな想いを受けて、絶対に甲子園で離れ離れになった仲間に、メッセージを送らせてあげたい、障害はなんとしても取り除いて見せるって絵里たちは応援するんだよね。

みんながナインやマネージャーを心から応援してあげてる。
山路の頼みで、昔バッテリー組んでた親友田村も監督として就任する。すべてが彼らの夢のため。

あんまりスポーツ観戦はしないけど、昔昔、プロ野球にかなり夢中になっていた時期もあってか、サッカーよりは野球、そしてかなり面白く読めた。

双子の不思議な能力も魅力だったけど、山路さんとの関係や、それぞれの人間模様も込み入ってるけど、基本は温かい。
ただ、数カ所そのままになっているのが気になった。
絵里の実家との関係。北海道にかつてなにがあったのか、問題を抱えてるらしいこと。
山路と田村のかつての同級生でなにか恨みを抱いているみたいなフリーライターさん。
山路と双子ちゃんの再会や、園長先生とのその後。

え〜、このまま終わりってあり?
次回作は、野球のプレー云々よりも、そっちの人間模様を中心にきっちり仕上げてほしいかも。
でも本当に温かくて、小路氏らしい、一気に引きこまれた作品でした。



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2013年04月14日

つむじダブル 小路幸也・宮下奈都著。

《★★★★☆》


お兄ちゃんとお母さんとお父さんと、おじいちゃんが大好きな小学四年生のまどか。
つむじが二つあって、男子にそれを言っても「だからって羨ましくないし〜」って言われるけど、お母さんは「幸運のしるしよ」って言ってくれる。
大好きな友達、美波ちゃんはまどかのうちのこと「ひみつの隠れ家って感じ」って褒めてくれる。
裏におじいちゃんの道場と接骨院が繋がっているだけなんだけど、まどかはその言葉のひびきを気に入っている。

それは、大好きな家族にひみつなんてない、と思ってたからだった・・・のに。
ある日、かかってきた一本の電話。そこからひみつの匂いは始まった。

二人の作家が描く、家族が大好きなまどかと、そんなまどかを見守るように優しいお兄ちゃんでいる由一、それぞれの視点から織りなす家族の優しい物語。

プロのバンドを目指す由一。可愛い妹からある日、母親にかかってきた一本の電話がおかしい、と言われるが、まどかの不安を消すのが自分の役目とばかりに「きっとなんでもないよ」と言う由一。
だけど、電話の主と父親が繋がっていることを知った由一は、まさか不倫???と疑う。
そんな由一にも家族にひみつがあった。近所に住む5歳年上のサユミさんと付き合ってること。
そのサユミさんにも、まだ由一に話していないことがあった。

それぞれが家族に言えない、言わないひみつを持っている。

二人の作家が書いたはずなのに、まるで一人の作家が書いたかのように、小路氏のファンである私には、小路氏の温かい優しい世界観が壊されることなく出来上がっている物語に驚き、そして満足。

お母さんにかかってきた一本の電話と、由一たちにかかったプロの誘い。
やがてそれらが丸い円のように繋がって、明かされるお母さんの秘密。

そうそう、小路氏らしく引っ張って引っ張って、なんかあるんだよね。
出だしはほのぼの路線で、よさそうな予感、読んじゃうの勿体ないかな、なんて思ってたけど、ほのぼのからなにやらひみつの匂いがしてきた途端、もう手が止まらない。
そして、きっとなにかある!!二人で書いていようと、ここがまた、まるで一人で書いたの!?って思ってしまった所以なんだけど、でかいひみつがあるんだよね、小路氏には。

多分、それだろうと思っていたけど、最後まで明かされなかったね。その余韻がまたいいよね。


朝の散歩がいつからなのか分からないけど、ってふとその文章があって、それが最後に、そういうことか、って繋がったあの瞬間が私は好き。
すべてを知った上でお母さんと結婚したお母さん。朝の散歩は、家族が家族になるための、優しい時間だったんだな〜と思ったら、本当に三人で歩いている姿が浮かんできて、優しい時間が流れていたんだなって、私はそこが一番残った。
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2012年12月05日

キシャツー 小路幸也著。

《★★☆》


電車通学のことをその地域では汽車通学、略してキシャツーと呼んでいる。
はるか、このみ、あゆみは仲良し三人組。はるかとこのみは幼馴染みだけど、あゆみは高校からで、今までずっと一緒にいたみたいにすぐに仲良しになった。
キシャツーの中には、はるかのご近所さんの一つ上のよっしー、生徒会長で冷静沈着。よっしーの友達で西遼太郎。
そして彼らの同級でみんなの憧れの的、高嶺の花の紗絵さん。

一両編成の汽車の中で、彼らのひと夏の冒険が始まる。
終わったときに彼らが掴んだものは・・・。

汽車の中から見える、見覚えのないテント。この辺では誰もキャンプなどしない場所で一人の青年が現れる。
彼は東京から一人、数年前に別れた血の繋がらない姉を探しに来ていた。
はるかに恋をする紗絵、それを見守るこのみとあゆみ。
幼い頃実母が出て行ってしまい、大学進学を機に実母を探しに行くつもりのよっしー。
そして、はるかが養子であり、明るく振舞っていながらも実は寂しがり屋の甘えん坊という、私には結構衝撃的だった真実が明らかになったり、光太郎の姉探しを通して、それぞれが抱えている問題をそれぞれが受け止めて一歩を踏み出す。

よっしーの実母との再会はその後どうなったのか、紗絵のレズビアンをはるかはどう受け止めたのか、というより紗絵ははるかへの想いをどのように消化したのかなど、その後が分からないままの終わりだったけど、とりあえず6年後、みんな元気っていうことだけが分かったので、いつかその後の物語あるのかな。

ああ、でも私ははるかのように紗絵さんのレズビアンを、「全然気にしません!!」って言う風には思えないので、そんなには熱望しないけど・・・。
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2012年11月09日

レディ・マドンナ 東京バンドワゴン 小路幸也著。

《★★★★》


またこの季節がやって来た。サチさんと一緒に、東京バンドワゴンの皆々様の一年を楽しく見守った。

最初の頃は人物相関図とにらめっこで行ったり来たりしながら、ごちゃごちゃの頭を整理しながら読んでいたけど、最近では、ん??誰だっけ?と思っても、ま、いいやとスルーできるようになってしまった。

一年間、研人がクラスメイトだか先輩殴ったり、葉山にいる我南人の音楽仲間がめでたくカップル公認になったり、すずみの親友が本盗まなきゃいけないような窮地から救ったり。
とにもかくにもいろんなことがあったけど、すべて丸く収まって。

「冬 雪やこんこあなたに逢えた」・・・ 不思議な客が現れた。本を決まった棚ごと買う客。
珍しい本を売りに来る客。
両方ともバンドワゴンの人々に縁のある人で、藍子の昔のクラスメイトだったり、勘一の父がその昔支援していた大女優さんやその関係者だったり。この下町にある古本屋には、すごい人々がいるから、縁する人々もすごいんだよね。

「春 鳶がくるりと鷹産んだ」・・・ 我南人の音楽仲間である中川さんが、実は子供がいて、その子供に自分は社長であると嘘をついているという。みんなにその嘘を演じてくれないか、と頼みにやって来る。
研人は、学校で我南人の悪口を言われ、先輩を殴った。
家出した研人が葉山に行ったり、葉山の保養所では中川さんのために大芝居打ったりと、葉山に大集結?

嘘ついたって、別れた娘が今度から東京で暮らせば、早々にばれそうだけどね。いまやネットで検索すれば、自分の父が売れない音楽家とか分かっちゃいそうだけど。
でも中川さん、やっぱり嘘はつけなかった。
研人の母、亜美さんが学校に乗り込んだ。だよね、だよね。殴ったことは悪いけど、やっぱり悪口はいけないよね。

「夏 思い出は風に吹かれて」・・・ 組合の会長さんがやって来て勘一がサチさんのために探していた本が見つかったらしい。だけど、所有者は勘一と犬猿の仲の相手だった。
何年も音信不通だったすずみの親友がやって来た。喜ぶすずみだけど、時期を同じくしてお店から本が消えた。親友は、実は大きな問題を抱えていた。
いろんな問題が起こったけど、でもバンドワゴンで起こることはすべて丸く収まる。

「秋 レディ・マドンナ」・・・ 我南人の亡くなった妻秋実が育った施設が危機に陥っている。共に育った智子さんが今は守ってくれているが状況はかなり悪く閉める準備をしているという。
葉山に住む我南人の音楽仲間が、お互い好きなのに結ばれないでいる。そこへ勘一の妹の遺産が入り・・・。

これもすべて丸く収まって。

納まっていないのは、藤島さんのお見合いの件だけ?
池沢さんが家族の一員として徐々に慣れ親しんでくるのは嬉しいような、でも本音はちょっと秋実さんが可哀相で嫌かな。人間って複雑。
藤島さんのお見合いが次辺り、大騒動になりそうな予感?
でも早く落ち着くところを見たい。

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2012年09月30日

話虫干 小路幸也著。

《★★★》


小説の中に勝手に入り込んで、物語を変えてしまう虫がいる。犯人を見つけ出し、《干す》ことで名作を守る、そんな任務を負った市立図書館の職員。
なんと入り込んだ物語とは、夏目漱石の「こころ」だった!

読書好きというのが恥ずかしくなるけど、「こころ」・・・たぶん読んでない。
なので、大丈夫かな〜、なんといっても元の話知らないんだから、と警戒したけど、さほど気にすることなく楽しめた。
「坊ちゃん」は読んだんだけどね〜。

だからどうということはないんだけど、読みながら、あれこれ、どの物語に入りたいかな〜って、もしそんなことができたらどんなに楽しいだろうか、とそんな夢を与えてくれたことに感謝。

小路氏作品なら「バンドワゴン」が一番楽しそう。
恒川光太郎氏の独特な懐かしい異次元も、行ってみたいけど二度と戻って来れなさそうなので辞退する。
大沢在昌氏の大好きな「鮫シリーズ」はとっても物騒だし、あ、でも入って逆に内容変えたい。
でもやっぱり入るなら平和な物語がいいね〜、なんてあれこれ考えるのが楽しかった。

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2012年09月11日

荻窪シェアハウス小助川 小路幸也著。

《★★★☆》


ちょっと訳ありな人々が集まるシェアハウス小助川。
相次いで両親を亡くし病院を閉めてしまった小助川鷹彦先生。父を亡くし、ずっと母の手助け弟妹の世話に明け暮れていた佳人。かかりつけの医院だったタカ先生が大家さん、気心の知れた佳人はプチ管理人ということで、入居者はシェアハウスを手がけた相良さんが吟味して決める。
ここは仲間の集うところではなく、あくまでもそれぞれが暮らして行く場所で、それぞれが暮らしていくために協力し合ってゆるく楽しくやっていきましょう、と相良さんは言いながらも、なにやら企みがありそうな?

いつしか仲間以上家族未満な意識で繋がっていくハートウォーミングな物語。

それぞれが抱える問題や秘密が明らかになっていって、最初は、仲間ではない、契約が終了したらいつ出て行ってもいいはずだったシェアハウスなのに、いつしかしっかり絆ができてしまってたね。
ずっと弟妹や母の手助けをしているだけで自分のことは後回しだった佳人も、両親を亡くした後気力がなくなって病院を閉めてしまったタカ先生も、それぞれが将来の夢を見つけてよかった。
このまま大吉さんと佳人とタカ先生が一緒にがんばるのかなって思える終わり方が嬉しい。


posted by じゃじゃまま at 21:49| 神奈川 ☀| Comment(3) | TrackBack(1) | 小路幸也 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月09日

Coffee blues 小路幸也著。

《★★★☆》


両親から譲り受けた日本家屋風の家で《弓島珈琲》を開いている大。
お店は元女子プロの丹下さんが自慢のミートスパゲティで切り盛りしてくれている。
大は運び込まれる家具を直したり、自分が食べて、丹下さんにお給料渡せればいいくらいののんびりさで暮らしている。
そんな大はかつて恋人がクスリ絡みで死んでしまうという事件に関わり、誤認逮捕された過去がある。

そんな大を見守り、支えてくれる人々がいる。丹下さんや、なにやらやんちゃな過去を持つらしい近所の苅田さん、高校時代の友人小菅、幼馴染みの肉屋の二代目、夏乃と大の同僚だった和泉や真紀、そしてなにより、大を誤認逮捕してしまったけど、以来五年間ずっと大のよき友人である刑事の三栖。

彼らは大と夏乃の過去を悲しみ、そして新たにトラブルに巻き込まれた大を助けるためにみんなで力を合わせる。

ところどころに挟み込まれる大学時代の共同生活。そのキーワードが頭の中のなにかに触れ、もしやと思ったら「モーニング」の関連作品だった。
「モーニング」では大学時代の仲間の訃報でかつての仲間が20年ぶりに集まる話。
この物語は、それ以前の大が30歳くらいの話。

小路氏といえば、もったいぶって最後まで話を引っ張るイメージがあったけど、こんなこと言うのはおこがましいけど、すごくうまくなったな〜と感じた。
話の出し方というか、最後までもったいぶることなく、出すべきところではきちんと出して、もちろん、夏乃を死に至らしめた橋爪と真紀の失踪は引っ張ったけど、それでも大と夏乃の事件や復讐を誓う夏乃の父のこととか、それなりにいいタイミングで出してたと思う。

そもそもの事件の発端は、大に姉の捜索をお願いする小学生のみいなちゃん。「お姉ちゃんを探して」。
この依頼が、どんどん大たちを巻き込み、きな臭い方向に進んでいく。と同時に、夏乃の死の原因を作ってしまった橋爪が出所して、夏乃の父が動き出す。それを止めるために大は恋人だった人の父でありかつての上司の吉村と再会する。
その吉村から知り合いのところへ入学祝を持っていって欲しいと頼まれる。それは方不明になっているみいなちゃんの姉へのもので大と三栖は「芳野建機」へ向かう。

二つの事件が一つに結ばれていく。

でもね、でもね。いいタイミングではそれなりに出していたけど、でもそもそもの設定に無理ないかな。
みいなちゃんたちのお父さんが麻薬絡みの仕事なんかするのかな。小学生と中学生の子供がいるのに。
あと、土地の権利で揉めてみいなちゃんの姉が軟禁されているのも、ちょっと無理があるような。しかも同じ土地の中で。
それが大への復讐に繋がるのもちょっと大げさ?

夏乃の父の友人が勝手に仕組んだというけど、それなら、夏乃の父に頼まれてこの復讐劇が始まった、ってした方が、夏乃には悪いけど、しっくりくる。
そもそも勝手に復讐をしようとした吉村の友人。関係ないし、それならやっぱり大を恨むのは筋違いで、憎むべきは橋爪でしょ。

以前の作品の「モーニング」では大は既婚者になっていたけど、今更ながら気になる。もしも物語の中で、大のこの事件の出来事が少しでも語られてたら、すごすぎる!!



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2012年05月17日

花咲小路四丁目の聖人 小路幸也著。

《★★★★》


寂れる一方の花咲小路商店街。この町で英語塾をしている亜弥は、日本人に帰化した英国人の父と二人暮らし。亜弥の父親は、なんと英国中を騒がせた伝説の泥棒で、亜弥の母親や日本を愛するあまりこの地で暮らしている。亜弥に恋する<白銀皮革店>の跡取り息子克己や、その親友で引きもこもりの電気店の跡取り北斗らと、この町を狙う陰謀から商店街を守るため、父とその仲間たちが結託するハートウォーミングで痛快な物語。

どこかやっぱり《バンドワゴン》の香りがするけど、なんかほのぼのしてるんだよね〜。
町を狙う陰謀で、商店街の人々が浮気や不倫騒動に巻き込まれるんだけど、生臭くささなんてなくて、小路氏っぽい温かさがにじみ出てる。
で、詳細は知らされないまま、お父さんがどんどん解決していっちゃう。
なんといっても伝説の大泥棒なんだから。

そして、亜弥と克己の恋の行方もにんまりしてしまう。

町の乗っ取りを阻止したお父さんだけど、どうやったって疑いの目はいくし、それがあっさりと外されたのができすぎな気もするけどね。
だってイギリスでは伝説の大泥棒で、しばらく行方が分からなくなっていて、それが急に日本で盗まれた美術品が出てきたら、しかもどっかの地方都市の商店街でだよ??
その町に住んでる英国人=伝説の大泥棒になるのは当然で、それが丸く収まっちゃうなんてやっぱできすぎだよね。

だけど、なんていうか、このほのぼの温かいところがいいんだろうな〜。

お父さんが子供たちに配るドーナツが無性に食べたくなった。

posted by じゃじゃまま at 22:33| 神奈川 ☀| Comment(3) | TrackBack(1) | 小路幸也 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月12日

カレンダーボーイ 小路幸也著。

≪★★★≫

目覚めるたびに1968年と2006年を行ったり来たりする安斎と三都。
二人は過去はクラスメイトで現在では同じ大学に勤務する同僚。そしてその1968年には、大好きなクラスメイトの里美ちゃんが転校して、その後三億円強奪事件が原因で一家心中してしまう事件があった。

二人は、なんのためにタイムスリップを繰り返すのか。これは里美ちゃんを救うためではないのか。
三都は過去に救えなかった里美ちゃんのために、安斎は勤務する大学の不正をなんとかするため、過去に行くたびに奔走する。

それはなにかを変えれば、そのためになにかを失うことにもなる。
それでも二人は里美ちゃんを救うために頑張るのだ。

三都は里美ちゃんの一家心中のなにかを知っていて、それを最後まで明かさないんだよ。
ああ、そうだ、これは小路氏の小説だったと痛感。もったいつけるんだよね。
タイムスリップは変に理屈でああだこうだと説明されるより、なんかわかんないけど行ったり来たりっていうんでいいよね。

でも、三都の心は過去に戻ったままになり、そして記憶が薄れて、思い出を失っていくってことなんだけど、でもそのまま成長して、数十年後にはまた同じ大学で再会するし、家族とも記憶はないけど、また新たな思い出を作れるからいいんじゃないの、ってことにならないの?

なんか切ない終わりなんだけど、でもまた出会えるってことで・・・駄目なの?あの切ない終わり方が気になる。
三都は記憶がどんどん薄れて、そのまま1968年にいるんだけど、あのお姉さんの担当編集者も過去にいて、そのまま記憶ありましたけど、あれはどのようなことなんだ??

このタイムスリップには里美ちゃん救出という命題があって、すべてそのための準備ってこと?あの編集者も、安斎と三都が来る時のために過去に来てたってことなのかな。

どうにもこうにもポロポロと小さい綻びが気になってしまった。

posted by じゃじゃまま at 14:54| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 小路幸也 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月18日

猫と妻と暮らす 蘆野原偲郷 小路幸也著。

≪★★★≫

古から人々に災いをもたらす厄を祓う能力を持っている蘆野原の人々。≪事≫を為すのは代々蘆野原の長の役目。
長筋である和弥の妻である優美子は、蘆野原を研究していた恩師の娘で、恩師たっての希望で和弥の妻となる。
ある日その妻が猫になっていた。それは、和弥が≪事≫を為すために必要なことであった。
恩師は優美子の特殊な役割について知っていたのか、当の本人は猫になっていることなど気付いてない様子。

不思議な蘆野原の郷。優しい響き。そこは普通の人間には立ち入れない。ただ山の中をさまようだけ。
恒川光太郎氏を思い出した。私たちの住む世界と、ほんのちょっとの境界線で、別の世界に行ってしまいそうな、そこは日本であって、でも私たちのいる日本とはずれているような感覚。

それでいて懐かしい。

「猫と妻と暮らす」の蘆野原も日本の中にあって、でもそこだけ時の流れが違う。
和弥も優美子も泉水、ぼうぼうじい、「ゲゲゲの鬼太郎」の世界みたい、なんて思った。

好きなんだけど、もう少し彼らを知りたい。なんか中途半端な気持ちで終わったんだよね。
平和に暮らす時代の背後に、これから起こるであろう戦争の影を感じ、閉じられてしまった蘆野原が、いつかまた開かれる時、また物語と再会したい。
戦争の時も、きっと蘆野原の人々は生き残ってくれるよね、とそこまで考えた。


posted by じゃじゃまま at 07:55| 神奈川 ☀| Comment(2) | TrackBack(1) | 小路幸也 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月29日

オブ・ラ・ディ オブ・ラ・ダ 小路幸也著。

≪★★★☆≫

相変わらず賑やかな<東京バンドワゴン>堀田一家。
不思議、珍客、千客万来の<東京バンドワゴン>、そこにはいつもLOVEだねぇ〜があって、季節は巡り巡っていく。

「春 林檎可愛やすっぱいか」 お店のワゴンにいつの間にか置かれている林檎の謎は。
研人と仲良しの光輝のケンカの本当の原因にも、やっぱりLOVEがあった。

「夏 歌は世につれどうにかなるさ」 我南人の新曲が盗作された?
<東京バンドワゴン>が映画の舞台に、青が俳優として出ることになったのだが・・・。
盗作騒ぎも、出番少ないのにやっぱり我南人の「・・・だねぇ」で丸く納まるから微笑んでしまう。

「秋 振り向けば男心に秋の空」 <東京バンドワゴン>をうろつく怪しげな人間の正体は?
持ち込まれた古本は思いがけないお宝と懐かしい縁を運んできてくれた。

「冬 オブ・ラ・ディ オブ・ラ・ダ」 勘一の妹の淑子さんが亡くなり、常連客藤島さんの心の傷、お姉さんの事件を乗り越えるための試練がやって来た。
失うものもあれば、新しい命もある。<はる>のお二人に目出度く赤ちゃんが。
そして、しばらく<はる>を手伝うことになったのは・・・なんとあの女優さんだった!!

なんでかこう、丸く納まるんだよね。ハートウォーミングなシリーズ。
そしてサチさんの語り口が癒してくれる。
細かいところは次の本が出るまでには忘れちゃってるんだろうけど、いいの、いいの。
ドタバタしながらも納まるところに納まるから。

posted by じゃじゃまま at 21:54| 神奈川 ☔| Comment(2) | TrackBack(1) | 小路幸也 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月27日

ピースメーカー 小路幸也著。

≪★★★≫

「僕」の通う赤星学園には通称カンタマの戦いというものがある。
文化部顧問と運動部顧問の対立、教頭以上に発言力や権限を持ち、時には生徒を巻き込んでの騒動に発展する。
<二代目ピースメーカー>の林田良平は小学校時代からの親友ケンちゃんと共に、あらゆる知恵と秘密兵器を駆使させて、学園の平和のために難問に立ち向かう。

忘れてはならないのが初代ピースメーカーの林田みさきの存在で、持ち前の美貌、人徳、それを見込んで文化部と運動部の橋渡し役<ピースメーカー>を頼んだのが、姉弟にとっては近所のお兄さんかつ学園の教師である中山先生。

中立の立場である「放送部」で学園の平和を実現して欲しい、と。

文化部顧問の菅野先生と運動部顧問の玉置先生の子息のロミオとジュリエット事件、文化祭でのバンドと吹奏楽とのコラボ、体育館使用をめぐっての主導権争い、先生VS生徒の様相を呈していながら根っこにはカンタマの対立があって、これはなかなか終わらないよね〜。

中山先生と初代ピースメーカー林田みさきのあれこれは、ちょっとした読者へのプレゼントか。
「東京バンドワゴン」系の、賑やかで、愛が溢れる物語。

なんか似てるな〜って思ったのは、やっぱりバンドが出てきたからかな〜。我南人思い出しちゃった。
優しい物語なんだけど、ちょっと出だし気分が乗り切れなかった。



posted by じゃじゃまま at 22:26| 神奈川 ☁| Comment(3) | TrackBack(3) | 小路幸也 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月18日

探偵ザンティピーの休暇 小路幸也著。

≪★☆≫

−マンハッタンの探偵ザンティピーのもとに、日本人と結婚し北海道の温泉旅館の若女将となった妹・サンディから電話があった。十年ぶりに再会した兄妹だが、サンディからある物を見せられる。それは、人間の指の骨だった。

しかもそれは、地元の人間から絶対に入ってはいけないと言われている浜で見つけてしまったのだ。
一体誰の?浜にはなにがあるのか?

まるで<バンドワゴン>の勘一さんかと思うような口調のザンティピーさん。
だけどうまくイメージできなくて、しかも入ってはいけないって言われてる浜だから言えない!お兄さん来て、って十年ぶりに電話するほどのもんかな〜って、ちょっと意地悪な目で読んでしまいました。

もっと賑やかでもっとワイワイした物語かと思ってた上に、登場人物もイメージつかめなくてイマイチ気分が乗れないで終わりました。

posted by じゃじゃまま at 16:30| 神奈川 | Comment(2) | TrackBack(1) | 小路幸也 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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