2014年04月12日

図書室のキリギリス 竹内真著。

《★★★》

バツイチになったのを機に、学校司書として働きはじめた詩織。人には言えない秘密を抱える彼女のもとに、さまざなな謎が持ちこまれる。本にこめられた想いと謎を読み解くブックミステリー。 (「BOOK」データベースより)

面白いはずなのに、読むのに2週間近くかかってしまった。
睡魔に負けてしまって・・・。
詩織はモノに刻まれた人々の思いを感じ取ることができる。そういう特殊な能力を持っている、っていうんだけど、正直、それならもっとそれを活用する物語でもよかった気もする。
あまりそれがなにか特別な出来事に繋がるわけでもなく、ただどの章でも、本に対する愛情というか、ああ、本好きなんだな〜って感じた。
そして、私もいろんな本が紹介されるたびに読んでみようかな、とか、読者がそういう風に思ってくれたら、きっと竹内氏の作戦は成功なんだろう。

正直、私と詩織(竹内氏)の本の趣味は違うけど、でも二つほど得たものがあった。
それは、以前ある番組でヒグマの食害事件を扱った再現ドラマを見て、本当に恐ろしくて、私は家族に呆れられながら、にわかヒグマ評論家となった。そしてヒグマの本を読んだり調べたりしたけど、星野道夫氏のエッセイが紹介されていて、おお!!!っと「図書室のキリギリス」と私の繋がりを喜んだりして。

詩織の勤める学校の図書委員である楓ちゃんが、英語の翻訳に挑戦してる章も、ひどく私のアンテナに触れた。
英語は苦手だけど、好きな映画の原作を翻訳するって挑戦もいいかな〜って。
なにか目的を持つって楽しいかも〜って。

物語的にはちょっと退屈なところもあったけど、こうやって新しい発見ができたのはやっぱり読書の醍醐味だよね。

詩織の失踪した夫も、最後に解決して、できればハッピーエンドがよかったけどね。
それが余韻を残した。

posted by じゃじゃまま at 16:05| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 竹内真 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月22日

イン・ザ・ルーツ 竹内真著。

≪★★★≫

祖父から生前、形見として根付を受け取った三人の孫。その後祖父はアメリカで事故に遭い、帰らぬ人となってしまった。
祖父が語っていたそれぞれの根付にある物語。そして、祖父母にはそれぞれ殺人事件の容疑者の先祖がいた。
根付の物語、祖父母たちのルーツを解き明かしながら、歩、進、望のそれぞれの成長物語。

出だしはスピードが上がらず、時間がかかってしまった。
祖父のようにミュージシャンになりたくて、真面目な父親への反発から家出する進。
末っ子ゆえにちょっと生意気な望。
優秀で、余計なことは言わず、着実な兄、歩。
三人の人生の岐路を、2001年、2005年、2010年それぞれ語られ、そしていつしか祖父、三四郎の言っていた根付の物語と、先祖の殺人事件の話へと繋がっていくから、それこそどんどん前のめりになって読み込む感じ。

祖母、コズエの祖父鉄次郎と、三四郎の祖父、多々良義明、まさかそこに繋がり、過去にそんな事件があったなんて。
ま、その事件のおかげでコズエと三四郎は出会ったわけなんだけどね。

過去の物語が面白かった。

posted by じゃじゃまま at 22:29| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 竹内真 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月01日

文化祭オクロック 竹内真著。

≪★★☆≫
文化祭当日、流れてきた校内放送。DJネガポジと名乗る謎のディスクジョッキー。携帯で生徒たちにリレーインタビューをしながら、なにか裏がありそうな、すべてがある目的のために進められているような、そんななにかを感じた2年生と、その標的にされた3年生の女子生徒が、DJネガポジの正体を探るために奔走する。

青春真っ只中を感じさせてくれる竹内氏なんだけど、今回はちょっと疎外感を感じてしまった。
高校時代女子校だったせいか、ワイワイ仲間内で盛り上がれる男女共学の文化祭ってのをちょっと斜に構えて見てしまう。(ひがみだけどさ)

この企画をした実行委員たち。DJネガポジの願いは、読み終えてからふむふむと心に染みて納得。
それにしても結構大掛かりだな。なにか自分も参加したかったって気持ちと、それを応援したかった友人。そして、きっかけを作ってしまった罪。
文化祭二日目では、本当はなにをするつもりだったのか気になるとこだけど、当事者たちが新たに「もういっかい」を踏み出せた青春物語。



posted by じゃじゃまま at 12:28| ☔| Comment(3) | TrackBack(1) | 竹内真 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月03日

自転車少年記 あの風の中へ 竹内真著。

≪★★★☆≫
竹内氏の小説というのは、なぜか懐かしい。まるで自分がそうして青春時代を送ってきたかのような錯覚というのか、同化できる物語。
自転車に情熱をかけた青春ではなかったけど、なにかに夢中になれる感覚というのは分かる。

私が読んだのは文庫本で、どうやら単行本の「自転車少年記」を元に新たに書き下ろされた物語。
単行本の方を読んでいないので、どんな感じなのか分からないけど、まったく自転車というものに興味なかった私でも、にわかに興味を覚えた。
ドライブしていると、たまに見かける自転車に乗ってる人。ママチャリとかじゃなく、いかにも、って自転車で大学のサークルかな、ぐらいしか思ってなかったけど、自転車好きの年齢層はかなり広いってことが分かった。
草太と昇平、伸男が過ごしてきた風ヶ丘、彼らの中学時代、高校時代、それぞれ進んだ大学、専門学校、その中で恋もして失恋もして、大人になって結婚して。
距離は離れても、彼らを結んでいたのは自転車だった。

羨ましいじゃないですか!そんなに好きになれるモノがあるなんて。
同じ方向を向いている仲間に巡り会えるのって。
車の中から見かける自転車の彼ら、これからは絶対に見る目が変わる。



posted by じゃじゃまま at 00:01| ☔| Comment(4) | TrackBack(3) | 竹内真 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月27日

ビールボーイズ 竹内真著。

≪★★★★≫

3人の幼なじみの少年と、初恋の少女とその親友。
初恋の少女が地元のビール工場の閉鎖により転校する日、少年と親友は仇を討つためにビールを飲み、友情を結ぶ。それからの彼らの18年間を、ビール祭ごとに語る。

いつもみんなのリーダーの正吉。正吉のよき参謀の広治郎。なにかとドジばかり踏む勇。そんな彼らの憧れの少女、茜。茜の親友で、3人の少年のとき仲間となる薫。
修学旅行での宴会騒ぎ、その後、広治郎の両親が、親会社の経営方針により新山市を去ることになる。
地元に残った正吉、勇、薫。高校は別々になりながらも、正吉の失恋では広治郎が住んでいたペンション跡地でビールと花火で語り合う。
そして失火による火災。
勇のプライドを賭けた行動と消防署の署長さんとの出会い。

すべてが無駄じゃない。正吉の彼女の実家が酒屋でもあったことから地ビールへの夢はいつしか本物となり、勇も薫も、紆余曲折や問題を抱えながらも、自分の道を歩き始める。
東京や地元と離れていながらも、それでも友情があることに、嬉しくなった。

広治郎とも、お約束の再会で、みんなで力を合わせて正吉のビール作りを応援するのも、ほっんとに爽やか!
最後の最後まで登場しなかった茜も、絶対の期待を裏切らず、竹内氏の物語は、どうしてこう温かなんだろう。

いや〜、地ビールっていうんで、細かな作業手順やら専門用語やらで興味ない人間にはきついかな、となかなか手が伸びなかった。
それに18年間を事細かに書かれたらだれちゃうところだけど、数年置きに彼らがビール片手に集い、その時にそれまでの様々な出来事が彼らの会話によって分かるので、とっても爽やかに飽きることなく、読みきれた。
発泡酒の違いも分かったし、最後の方の工法みたいなのは、ごめんよ、あんまり興味なかったけど、でも確かに飲みたくなる!
そんなにこだわって作られたビールなら、買ってみたい。

posted by じゃじゃまま at 15:23| ☔| Comment(6) | TrackBack(4) | 竹内真 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月17日

ワンダー・ドッグ 竹内真著。

≪★★★★★≫

空沢高校のワンダーフォーゲル部に、ある日新入部員と共に捨て犬がやって来た。
その日を境に、ワンゲル部に入部し卒業していく若者たち、ワンダーに関わる者たちの数年にわたる物語。

竹内氏は初読みなんだけど、ワンゲル出身?っていうか、愛情がこもっていて、読んでると、高揚感や興奮を一緒に体験してしまう。こういう風にさせるのって、書いてる本人が愛情を持ってテーマにしてるからだと思うんだけど。
私も、大きな声じゃいえないけど、実は大学時代山岳部に入ろうかと思ってた(一瞬だけね!!!)から、ちょっと他人事じゃないんだよね。もちろん入らなかったし、重いザック担いで歩く訓練とか、やっぱ女子には現実的には無理だった。

でも興味はあったから、空沢高校のワンゲル部の彼らが羨ましい。まるで自分まで高校生になってそこにいるかのように楽しめて読めた。

第二章の知草由貴が登場して、ワンゲル部の活動には参加しないけど、ワンダーの世話だけをするって話。ちょ〜〜っとムカッときたけど、せっかくの高校生活なのに、仮にも部員になるというのに、その身勝手な言い分はなによ!なんてね。
でも、彼女もそれまでは可愛い顔を大いに利用して、色恋沙汰の絶えない少女だったのが、ワンダーに関わり、ワンゲル部に所属してしまったことにより、自分のその後の人生に影響するくらいの出会いをする。

クライミング、そしてワンダーの自由のために学校側と交渉することで、たくさんのことを知る。それが将来、自分の進路にも影響する、そういうことが、すごくキラキラして見える。
未来なんて絶対に決められないし、分からない。たとえば、最初の目的はAのつもりが、その途中で見たBに興味を持ち、いつの間にかCがゴールだった、なんてことよくあるじゃない。

そういう自然な流れが、すごくよく滲み出ていて、甲町が捨て犬だったワンダーを飼ってもらうためにワンゲル部に入部して、その数年後には教師になってたり、空沢高校ワンゲル部だった彼らのその後ってなんとなく納得してしまうものがある。

最初は悪役だった教頭先生が、ワンダーとは一番長い縁になってたりしたのも微笑ましいね。関わったすべての人が素敵!
いいな〜〜、こういう高校生活!!
posted by じゃじゃまま at 23:11| ☔| Comment(6) | TrackBack(4) | 竹内真 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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